「期待が非現実的に高まっている」――軍が熱視線のヒト型ロボ、専門家が示す3つの懸念点
ULTIMATE WARRIOR?

データの蓄積がまだ不十分
ハーバード大学AI・ロボティクス研究室のモンユィ・ワン(王孟渝)室長は、ファントムのようなヒト型ロボットの近未来は「極めて明るい」と評価。製造、輸送、監視、家事、さらには高齢者介護など多様な用途が想定されるが、劇的な変化が起きるのは10年以上先だと述べた。
「世界中の多くの企業がロボットを開発している」と、ワンは本誌に言った。「しかし、実際にそれらのロボットを詳しく見れば、チャットGPTと話しているときに感じるような知能は備えていない。そのレベルにはまだ程遠い」
AIチャットボットを動かす大規模言語モデル(LLM)には、まだほとんどのロボットにはない膨大なデータの蓄積がある。
徹底的なシミュレーション訓練は、重要な模倣学習の前にそのプロセスを加速させるのに役立つとワンは言う。「言ってみれば、高性能カメラやウエアラブルセンサーで体の動きを追跡し、人間がロボットに何かを、例えば料理の作り方を教えるようなものだ」
その後、制御環境外の実社会での応用が進む。いかなるロボットの実用性も、最終的には機能の最適化のために使われる抜粋データの範囲に応じて決まるという。
ガソリンの給油やセキュリティーチェックなどの作業については間もなくロボットが大規模に配備されてこなすようになるかもしれないが、知能不足のせいで、ほとんどのデバイスは日常生活では「とても使えない」レベルで思わぬ欠陥を伴う、とワンは指摘する。





