「太陽フレア」に新発見...従来の説より、はるかに高温だった? 50年以上の謎が解明されるかも
Solar Flares More Than 6 Times Hotter Than Thought as 50-Year-Puzzle Solved
太陽研究の前提が覆るかも
今回の研究では、太陽フレアという激しいエネルギー現象の際に、イオンと電子からなるプラズマがどのように加熱されるかが検討された。
「太陽物理学ではこれまで、イオンと電子は同じ温度を持つという前提に立ってきた」とラッセルは語る。
「しかし、最新のデータを用いて計算をやり直したところ、太陽フレアの中でも、特にエネルギーが集中して激しい活動が起きている領域では、イオンと電子の温度差が数十分間も続く可能性があることがわかった。これにより、超高温のイオンという新たな視点が開かれた」
今回の新たな温度推定値は、太陽フレアの力学に関する理解を新たにするだけではない。太陽物理学者たちをほぼ半世紀にわたって悩ませてきた観測上の謎の解明にもつながるかもしれない。
その謎とは、太陽フレア中に放たれる光の「スペクトル線」と呼ばれる指紋のような痕跡の幅が、標準的な温度の前提では説明できないほど広いという現象だ。
「さらに注目すべきは、今回導き出された新しいイオン温度が、このスペクトル線の幅と一致するという点だ」とラッセルは付け加えた。
「これによって、天体物理学の世界で約50年未解決だった謎が、ついに解き明かされる可能性がある」