最新記事
考古学

裁判沙汰になった300年前の沈没船、残骸発見→最新調査でここまで「謎」が解けた

Secrets of a 300-Year-Old Shipwreck

2024年10月16日(水)18時20分
アリストス・ジョージャウ(科学担当)

ノルウェーのマンダル近くの海

見つかった場所はノルウェーのマンダル近くの海 ERLING TØNNESSEN

一方、乗組員たちは水先案内人の責任を指摘した。その人物が右舷と左舷を勘違いして誤った針路を指示するという重大なミスを犯したために、船が沈没するに至ったというのである。

今年行われたプロビデンツ号の調査に参加したノルウェー海洋博物館の海洋考古学者ヨルゲン・ヨハンネセンが本誌に語ったところによれば、一部の乗組員が酒に酔っていたことは十分にあり得るが、沈没の最大の原因は水先案内人の指示ミスである可能性が高いという。


西欧の交易ネットワーク

プロビデンツ号はこれまで300年の間、海の中で行方不明になったままだった。マンダルのダイビングクラブのメンバーが沈没船の残骸を発見したのは、2020年12月のことだ。「地元のダイバーたちは40年以上、(プロビデンツ号の)残骸を探していた」と、ヨハンネセンは言う。

沈没船の残骸が見つかるとすぐ、ヨハンネセンらは調査に着手した。「最初に行ったのは、盗まれやすそうな遺物をいくつか回収することだった」と、ヨハンネセンは言う。

「船体と建造方法も調べたいと考えた。それに、この沈没船が本当にプロビデンツ号なのかを確認したかった。調べてみると、この船は間違いなくプロビデンツ号だと分かった。理由は、『コーク』という文字が記された陶製パイプが2つ見つかったこと。コークはプロビデンツ号が出航した港の名前だ」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

パリ控訴裁、SHEINのサイト停止求める仏政府の請

ビジネス

サウジの紅海側ヤンブー港、原油積載再開 製油所攻撃

ビジネス

アングル:植田日銀総裁、利上げ姿勢崩さず 4月会合

ビジネス

スイス中銀、ゼロ金利維持 過度なフラン高に対抗
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 3
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 4
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 5
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 8
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 9
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 10
    観客が撮影...ティモシー・シャラメが「アカデミー賞…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中