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ファーウェイ制裁の不透明な真実、グーグルはNGだがマイクロソフトはOK?

2021年7月27日(火)15時55分
高口康太(ジャーナリスト)

前述の通り、振りまわされているのはファーウェイだけではない。取引をしている米国企業、日本企業も巻き込まれている。

また、今年第2四半期の世界スマートフォン出荷台数では中国のシャオミがアップルを抜き、世界2位となった。かつてのファーウェイのポジションにつけたわけだが、安全保障の面からするとこれは問題なのだろうか。

シャオミは今年1月、米国防総省作成の「人民解放軍に実質的に支配されているリスト」に入れられた。その後、裁判によってリスト入りは撤回されたものの、また何かあるのではという人々の連想は止められない。

米国と中国の対立は今後、長期にわたり継続する。経済よりも安全保障を優先する局面も多々出現するはずだ。とはいえ、そのたびごとに企業や人が振りまわされないように、不透明性はなるべく減らすべきではないか。

米中対立が続くことを前提としつつも、その経済的ダメージをどう極小化させたらいいのか、日本政府や企業には知恵が問われる局面だ。

[筆者]
高口康太
ジャーナリスト、千葉大学客員准教授。1976年生まれ。千葉大学人文社会科学研究科(博士課程)単位取得退学。著書に『幸福な監視国家・中国』(共著、NHK出版新書)、『プロトタイプシティ』(共著、KADOKAWA、2021年大平正芳記念賞特別賞受賞)、『中国S級B級論――発展途上と最先端が混在する国』(編著、さくら舎)、『現代中国経営者列伝』(星海社新書)など。

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