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森を守り、搾取を乗り越える...「知られざるお茶大国」ベトナムで「古木茶」経済が動き出した

2026年3月19日(木)20時55分
安藤智彦

シャン・トゥエット茶を選別する作業

シャン・トゥエット茶を選別する作業 写真:ブイ・タン・ビン

森の多様な香りを吸収し、独特の深みが生まれる

ハザンには、古木茶として知られるシャン・トゥエット茶が多く自生する。「シャン(=高山)・トゥエット(=雪)」と呼ばれるのは、新芽が産毛に覆われ、乾燥させるとまるで雪が積もったように白く見えるからだ。

一般的な茶畑のような低い低木ではなく、高さ数メートル、中には10メートル近くに達するものもある。

だが、モン族やザオ族の人々(特に女性たち)は巨大な茶の木にスルスルと登り、不安定な枝の上でも巧みにバランスを取りながら、手作業で新芽を摘み取っていく。まるで日々のルーティンのように、淡々とこなしていくさまは圧巻でもある。

緑に少し白みがかった新芽をかじらせてもらったが、独特の苦みとほのかな甘みが混然一体となった優しい味わいを感じた。他の樹木と一緒に生えているため、森の多様な植物の香りも吸収して独特の深みが生まれるのだという。

「このクオリティは、ここでしか得られないものだと思います。言うなれば、古来からの完全有機栽培ですね」

古木茶の製造・販売を手がけるファム・ティ・ミン・ハイさんは、その魅力をこう語る。彼女は、地元住民とパートナーシップを結び、原材料の安定供給を確保すると同時に、茶農家の生計を安定させ、貴重な古木の森を守る「持続可能な発展」を実現しているという。

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