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地球環境

気候変動と生態系の危機が、さらなる環境破壊を招く...地球を襲う「三重債務危機」のメカニズム

2025年1月4日(土)16時23分
ベラ・ソンウェ(経済学者)、グイド・シュミットトラウブ(企業幹部)

国際的な気候変動対策に立ちはだかる2つの障壁

技術や経験を低所得国と分かち合う必要もある。革新的な金融メカニズム、補助金型支援や技術支援がなければ、高い借入コストがのしかかる高債務国がカーボンニュートラルを達成することはできない。

残念ながら、24年のIMFと世界銀行の年次総会、国連生物多様性条約第16回締約国会議では、気候変動対策への十分な投資態勢がいまだに整わない現実が露呈した。信用格付け機関は既に、島しょ国をはじめとする気候変動脆弱国の格付けを下げており、これらの国は不安定な財政と環境の悪循環に陥る恐れがある。

債務危機が強いる財政制約に加えて、国際的な気候変動対策には2つの大きな障壁が立ちはだかる。1つ目は、気候レジリエンス投資の生産性を適切に認識しないマクロ経済的枠組みだ。IMFと世銀が実施している債務持続可能性分析(DSA)にも同じことが言える。

IMFと世銀は独立専門家グループの提言を受け入れ、即時的な気候ショックとより長期的な環境リスクの影響を、ベースライン予測に組み込むべきだ。災害リスクファイナンスやレジリエンス強化投資がもたらすコスト削減や経済安定性向上を考慮に入れる必要もある。

もう1つの障壁は、より政治的だ。気候レジリエンス投資を求める途上国への国際的支援が存在せず、気候変動対策資金の提供を繰り返し約束しながら実行が伴わない富裕国に対して、冷笑的な見方が膨らんでいる。

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