最新記事
健康

飲み物から「数千個」のマイクロプラスチックが体内に...プラ製カップの「危険性」を示す最新研究

Common Drinks Releasing Thousands of Microplastic Particles Revealed

2026年1月21日(水)15時28分
スー・キム

一方で、飲み物をカップに入れておく時間、いわゆる「浸漬時間」は、マイクロプラスチック放出の一貫した要因とはならなかった。リウは、「プラスチックカップに飲み物を長時間入れておくことよりも、液体が最初にプラスチックに触れたときの温度のほうが重要であることを示している」と述べている。

今回の研究は、国連環境計画(UNEP)が2021年に公表した報告書で、年間約5000億個の使い捨てカップが使用されていると指摘されている状況を背景に発表された。

同報告書は、「使い捨て飲料カップの使用は今後、指数関数的に増加する見通しだ」と警告した上で、「家庭外で飲料を消費するための持続可能な代替手段を見つけるため、緊急の対応が必要だ」としている。

UNEPは、「マイクロプラスチックは摂取や吸入を通じて人体に入り込む可能性がある」と説明しており、実際に「動脈の壁を含む、人体のさまざまな部位で検出されている」としている。

さらにUNEPは2019年の研究を引用し、「居住地や生活環境によって差はあるものの、一部の成人は年間平均で3万9000個から5万2000個のマイクロプラスチック粒子を摂取している可能性がある」と指摘している。

References

Liu, X., Li, D., Li, Z., Ball, A. S., & Chen, C. (2026). Release of microplastics from commonly used plastic containers: Combined meta-analysis and case study. Journal of Hazardous Materials: Plastics, 2. https://doi.org/10.1016/j.hazmp.2025.100028

Marfella, R., Prattichizzo, F., Sardu, C., Fulgenzi, G., Graciotti, L., Spadoni, T., D'Onofrio, N., Scisciola, L., Grotta, R. L., Frigé, C., Pellegrini, V., Municinò, M., Siniscalchi, M., Spinetti, F., Vigliotti, G., Vecchione, C., Carrizzo, A., Accarino, G., Squillante, A., ... Paolisso, G. (2024). Microplastics and Nanoplastics in Atheromas and Cardiovascular Events. New England Journal of Medicine, 390(10), 900-910. https://doi.org/10.1056/NEJMoa2309822

United Nations Environment Programme. (2021). Single-use beverage cups and their alternatives: Recommendations from life cycle assessments. United Nations Environment Programme.


【関連記事】
【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
◆サーモンとマグロは要注意...輸入魚に潜む「永遠の化学物質(PFAS)」、濃度が特に高い「産地」は?

ニューズウィーク日本版 教養としてのミュージカル入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月17号(3月10日発売)は「教養としてのミュージカル入門」特集。社会と時代を鮮烈に描き出すポリティカルな作品の魅力[PLUS]山崎育三郎ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

トランプ米大統領、買収争奪戦中にネトフリとワーナー

ワールド

レバノン、米に和平仲介を要請 イスラエルとの戦闘終

ワールド

トランプ氏、イラン石油押収に含み 新指導者選出「大

ワールド

プーチン氏「欧州に協力の用意」、イラン情勢でエネル
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    ダイヤモンドのような「ふくらはぎ」を鍛える最短ルートとは?...スクワットの真実
  • 4
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 5
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 6
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 7
    なぜ脳は、日本的「美」に反応する? 欧米の美とは異…
  • 8
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 9
    プーチンに迫る9月総選挙の暗雲
  • 10
    「溶けた金属のよう...」 ヨセミテ国立公園で「激レ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 7
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中