最新記事
映画

今度は「グリンダが主人公」...『ウィキッド』後編の魅力はシリアスな展開と「魔女コンビ」の圧倒的歌唱力

Angelic Voices of Wicked

2026年2月27日(金)19時02分
デーナ・スティーブンズ (映画評論家)

『ウィキッド 永遠の約束』戦うエルファバ

「悪い魔女」の烙印を押されながら虐げられた者のために戦うエルファバ ©UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED

暗くシリアスな世界へ

とはいえ『ウィキッド』最大の魅力は権威主義や圧政を風刺する物語ではなく、ほうきとシャボン玉に乗って空を飛び、圧倒的な歌唱力を披露する2人の魔女にある。

グリンダとエルファバは『シカゴ(Chicago)』のロキシーとベルマのように物語を超越した存在感を持つ。空を飛ぶすべを身に付けた2人は、『永遠の約束』で比喩的にも文字どおりの意味でも高く舞い上がる。

映画自体は軽い「続編病」にかかり、前作に比べると平凡なアクション超大作になってしまった。それでも「これぞ映画スター!」と喝采したくなるエリボとグランデのパフォーマンスを見逃すのは惜しい。

新作は第1幕から数年後、「悪い魔女」の汚名を着せられたエルファバが森に潜伏中だ。迫害される動物たちのために戦い、支配者である魔法使い(ジェフ・ゴールドブラム)の嘘を暴こうとしている。

オズの国では権威主義が台頭し、大学で魔法学を教えていたマダム・モリブル(ミシェル・ヨー)は魔法使いの報道官としてプロパガンダを垂れ流してエルファバへの反感をあおる。意志の弱い魔法使いは、人間の言葉を話す動物への弾圧をやめようとしない。

グリンダはリアリティー番組のスターのような存在になっている。本当は魔法を使えないのに、モリブルの手でおとぎ話のような幸福の象徴に祭り上げられ、「善い魔女」として民衆に愛されている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

独失業者数、2月は小幅増 失業率6.3%で横ばい

ワールド

インドGDP、10─12月7.8%増に鈍化 消費は

ビジネス

三菱UFJAMの「オルカン」、純資産総額で「S&P

ワールド

米国民「黄金時代」に懐疑的、68%が「経済活況」同
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルーの大スキャンダルを招いた「女王の寵愛」とは
  • 4
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 5
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 6
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 9
    「まるで別人...」ジョニー・デップの激変ぶりにネッ…
  • 10
    ウクライナが国産ミサイル「フラミンゴ」でロシア軍…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 9
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 10
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中