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「冗談だろう」の落選から――苦節30年以上、73歳デルロイ・リンドーがついにオスカー候補に

Surprising but Much-Deserved

2026年2月13日(金)17時04分
ナディラ・ゴフ (スレート誌カルチャー担当)

映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』(2020年)

2020年の『ザ・ファイブ・ブラッズ』 PHOTOFEST/AFLO

だが『罪人たち』以前の最高傑作は、リーの『ザ・ファイブ・ブラッズ』(原題:Da 5 Bloods)であろう。

5人目の「ブラッズ」(仲間・戦友)である班長の遺骨を回収するためベトナムに戻る4人の黒人帰還兵を描いたこの作品は、批評家からは高く評価されたものの、一般の観客の間では賛否が分かれた。しかし、特にひどい心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しむポール役を演じたリンドーの卓越した演技は、誰もが一致して認めたはずだ。

スレート誌のサム・アダムズは当時こう書いた。「リンドーの演技は圧倒的。無数の感情が彼の顔面でせめぎ合うのが見えるほどだ」

レガシー賞的な意味も

リンドーにとって、『ザ・ファイブ・ブラッズ』は、業界全体に存在を示す絶好のチャンスだった。ニューヨーク映画批評家協会と全米映画批評家協会の最優秀男優賞を受賞していたので、金色のオスカー像にも指先がかかったようなものだった。

賞シーズンに合わせ、リンドーは映画のキャンペーンに本腰を入れたが、結果は及ばず。彼はその年を代表する「アカデミー賞ノミネート漏れ」の1人となった。

芸能誌ハリウッド・リポーターに語ったところでは、落選の知らせを聞いたリンドーは「冗談だろう」と思ったという。リーと2人でしばらく慰め合ったときには、「つらいけど、仕事を続けなきゃいけない」と言われたと語る。

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