「ビートルズに勝った」論は本当か?...テイラー・スウィフトが21世紀の音楽市場を「制覇」できた理由
Taylor Swift vs. the Beatles
「ビートルズが誕生した環境は今とは全く異なる。当時は、アメリカの大手レコード会社に雇われたソングライターの書いた曲が、レコード会社とつながったラジオ局やプロモーターの後押しでヒットするシステムが出来上がっていた。音楽業界には明確な人種分断もあった」
「ビートルズは、こうしたシステムを吹き飛ばした」と、ノービルは言う。「彼らはポピュラー音楽を数十年先まで変えた。自分たちで曲を書き、レコーディングスタジオを表現の手段として利用した。いわば現代のバンドの原型をつくり上げたのだ」
一方、スウィフトは、「自分が語りたいストーリーをどう伝えたいかを自分で決め、新作の発表を文化的なイベントに変える卓越した能力によって、21世紀の音楽市場を制覇した」とノービルは評する。
「彼女は偉大なソングライターだが、ポピュラー音楽の新しい時代を切り開いたというわけではないと思う」
スウィフトが10月3日に発表した新アルバム『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール(The Life of a Showgirl)』は、音楽配信サービスのスポティファイ(Spotify)で今年の中で一日に最も再生されたアルバムに躍り出るなど、早々に新たな記録を作っている。
米ハンター大学のマイク・スパイサー教授(音楽理論)は、「スウィフトの成功は現在進行中で、まだ先は長い。『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』は、ビートルズでいうと3枚目のアルバム『ハード・デイズ・ナイト(A Hard Day's Night)』に相当すると思う」と語る。
「同時期の64年公開の映画『ハード・デイズ・ナイト』は、いわば長編のミュージックビデオで、MTVの道を切り開いた。今でもこれを見るとなぜ誰もがビートルズに恋に落ちたかが分かる」





