「ビートルズに勝った」論は本当か?...テイラー・スウィフトが21世紀の音楽市場を「制覇」できた理由
Taylor Swift vs. the Beatles
どちらも一世を風靡したスウィフトとビートルズ(左ページ)だが、音楽業界が大きく変化したため比べられないという声も MARCELO ENDELLI-TAS23/GETTY IMAGES FOR TAS RIGHTS MANAGEMENT
<テイラーはビートルズ並みに売れた「初のアーティスト」? 快進撃を続ける歌姫の評価をめぐり、大論争が勃発中──>
テイラー・スウィフトはビートルズを超えたのか──。アメリカのシンガーソングライターであるスウィフトが記録破りの成功を収め続けるなか、ひと昔前なら考えられなかった問いが、あちこちで聞かれるようになってきた。
その一方で、そのような問いが有効なのかと首をかしげる向きもある。ビートルズの全盛期の1960年代と現代とでは、ポピュラー音楽の消費方法は大きく変わった。
物理的なレコードを所有することが音楽を楽しむ主な方法だった時代から、ストリーミング配信の時代になっただけではない。ランキングの作成方法やツアーの在り方も変わった。アーティストはもとより、ファンの持つ影響力も大きく変わった。
ジョン・レノン(故人)とポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン(故人)、そしてリンゴ・スターの4人からなるビートルズは、62年にイギリスでデビューすると、たちまち人気を博した。
だが、世界的な大旋風を巻き起こすようになったのは、64年にアメリカの人気テレビ番組エド・サリバン・ショーに出演してからだ。
それから60年以上たった今も、「She Loves You」「I Want To Hold Your Hand」「Hey Jude」といったヒット曲は若い世代にまで広く知られ、愛されている。






