「ビートルズに勝った」論は本当か?...テイラー・スウィフトが21世紀の音楽市場を「制覇」できた理由
Taylor Swift vs. the Beatles

そんなビートルズが持つ記録の1つを、最近スウィフトが打ち破った。「ユナイテッド・ワールド・トップ10」というランキングで、同時に7曲がチャートインする快挙を成し遂げたのだ。これまでの最高記録は、ビートルズが64年に達成した6曲だった。
スウィフトはツアー面でも、2024年12月に終えた『エラズ・ツアー』のチケット売り上げが20億ドルを超えるという、とてつもない記録を打ち立てた。インフレを考慮しても、1960年代のビートルズをはるかに上回る記録だ。
300年後も愛される?
その盛り上がりも尋常ではない。一部の曲では観客が同時に激しくジャンプするため、スウィフトのコンサート会場周辺では、地震計が地震と見なす揺れが検知されたこともある。音楽業界の重鎮アービング・アゾフは、スウィフトは「現代のビートルズだ」とお墨付きを与えている。
だが、今もビートルズが保持する大記録もある。ビルボードのシングルチャートで100位以内に入った曲は64曲。このうち20曲は1位を獲得した。レコード会社のEMIによると、アルバム(ベスト盤やライブ盤を含む)の売り上げは10億枚を超える。
果たして、スウィフトはビートルズを超えたと言えるのか。本誌は複数の専門家の意見を聞いてみた。
英セントメリー大学のリチャード・ミルズ准教授(英文学)は、「歴史の判断を待たなければならない」と言う。「スウィフトはまだキャリアを振り返る段階にない」





