インスタで大バズり中のシェフが伝授する、「最高の一皿」との出会い方とは
Feasts for the Senses

シェフ人生はレストランでの修業から。インパクトのある料理動画で人気者に JIMMY FONTAINE/PHOTOGRAPHED FOR SANDWICH MAGAZINE
<40万ものフォロワーを持つシェフ、オリビア・ディードマン。彼女が語る「忘れられない食事の記憶」と「思い出に残る料理と出合う方法」とは>
オリビア・ティードマンにとって忘れられない食事の1つは、ごく普通のトマトソースのスパゲティだ。7歳だった彼女と兄のサムのために、祖父のフランクがニューヨーク州北部のハンター・マウンテンにあった山小屋で作ってくれた。
「ちょっと変わった思い出よ」と、プライベートシェフからソーシャルメディアのスターになったティードマンは語る。「あの日のことはとても鮮明に覚えている。祖父が作っているところを見ているだけでおかしかった。私の母は料理上手だったから、それに比べると、適当にかき混ぜて、紙の皿にドサッと載せて。自分たちでテーブルに運んで、たぶん後片付けもした」
「不思議なのは、食べたという記憶がないこと。あの経験全体を自分がどんなふうに感じていたか、それは覚えている。楽しむためではなく、機能としての食事だった。明日はスキーに行くからみんな食べておけ、みたいな。うまく言えないけれど、普段とは違う食べ方だった」
食べ物は、特別な出来事や新しい場所を訪れた記憶において重要な役割を果たすことが多い。野球場で食べたホットドッグのマスタードが辛かったこと、暖かい日に海辺で濃厚なチョコレートアイスを食べたこと。