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文章術をつづったベストセラー作家が「言葉とは何か」を問い直す...自分を生かす「5つの言葉」とは

Why Words Matter

2025年7月11日(金)17時40分
近藤康太郎(作家・評論家・新聞記者)

「人は、死んだとなれば二度死なない」(シェイクスピア『ヘンリー四世』)のだから。

ブルーハーツはロック界のシェイクスピアですよ。


【3】汝の道を行け。そして人々の語るにまかせよ!

イタリアの格言を引いて、マルクスは『資本論』序文にこう書きました。比べるわけではないですが、わたしも、心意気だけはこうありたい。

自分自身が信じた道を行け。人にはなんとでも言わせておく。焦るな。今の自分の限界まで、深く考えろ。ゆっくり行け。長く書け。ゆっくり行く者は、遠くまで行く。

【4】之ヲ好ミ、之ヲ信ジ、且ツ之ヲ楽シム

国学者の本居宣長が塾生に宛てた手紙の一節です。小林秀雄の評伝『本居宣長』で知りました。

音楽評論家として著作デビューしたんですが、わたしの好む音楽はヒットチャートに出てこない。というか、だれも知らない。アンダーグラウンドの人が多いんです。

売り上げ、つまりは「他人の耳」ですね、そんなものはどうでもいい。自分の好むものを信じ、楽しみ、愛する。音楽だけに限りません。本も映画も、美術、演芸、それに生き方も同じです。

自分の目、耳、感性を信じて、生きる。ライターとして、呪文のように「好信楽愛」と唱えています。

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