最新記事
MLB

ドジャース「破産からの復活」、成功の秘訣は「財力」ではない...「全ては背番号22から始まっている」

EVIL EMPIRE 2.0

2025年3月22日(土)15時40分
青池奈津子(ロサンゼルス在住MLBライター)
「新・悪の帝国」とも称されるドジャースの成功

チームの中心にいるのはロバーツ監督(昨年のワールドシリーズ優勝) USA TODAY SPORTSーREUTERS

<圧倒的な資金力で有力選手をかき集めるロサンゼルス・ドジャース。以前のヤンキースになぞらえて「新・悪の帝国」とも呼ばれるが、内実は大きく異なる>

大谷翔平の歴史的な移籍、ワールドシリーズ優勝、そしてフリーエージェント(FA)市場での爆発的な人気......。ここ1年半で一躍、時の球団になったドジャースが、かつてのヤンキースになぞらえて、ちまたで「新・悪の帝国」と呼ばれていると聞き、思わず笑みがこぼれた。今年のスプリングトレーニングの取材で受ける彼らの印象と、あまりにも懸け離れているからだ。

この球団が前オーナーの泥沼化した離婚劇に巻き込まれ、巨額の負債で2011年に破産法適用を申請し売却されたことなどすっかり忘れられているのは世の常だろう。

ドジャースは一度どん底を見ている。そこから13年間、現オーナーの投資会社グッゲンハイム・ベースボール・マネジメントの下で、誇りを取り戻そうとひたむきにやってきたことが実を結んだのだ。


「悪の帝国」と呼ぶなら呼べ。昨年の優勝で何かつきものが落ちたように笑顔が絶えず、楽しそうに練習する。日頃の取材対応にも明るさが表れ、感じる空気はむしろ楽園──と思っていたら、再契約したテオスカー・ヘルナンデスが同意してくれた。

「まさにパラダイスと呼んでいいと思うよ。ここは今の野球界で一番いたい場所。みんなが追い求めるホーム(居場所)を感じさせてくれる場所だから」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

仏大統領、イラン政権交代につながる軍事行動に反対 

ワールド

G7、ウクライナ巡る共同声明断念 米国が抵抗=カナ

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、中東緊迫化で安全買い

ワールド

G7、重要鉱物やAIなど6分野の共同声明で合意=議
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越しに見た「守り神」の正体
  • 3
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火...世界遺産の火山がもたらした被害は?
  • 4
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 5
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 8
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 9
    コメ高騰の犯人はJAや買い占めではなく...日本に根…
  • 10
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中