最新記事
エンタメ

「なんでこんなキャスティングに?」...小人症の「WWEレスラー」ディラン・ポステルが切り開く、ハリウッド俳優の道

Where Are the Dwarf Roles?

2023年8月30日(水)14時45分
ディラン・ポステル(俳優、元レスラー)
ディラン・ポステル

レスラー時代はリングネーム「ホーンズワグル」でファンを沸かせたポステル FRAZER HARRISON/GETTY IMAGES

<実写版映画『白雪姫』の7人の小人たちの写真がリークされたのを見て、心底ガッカリ...。次なる目標は小人症の役者が、演技力と持ち味を発揮できる環境作り>

大人になったらプロレスラーになりたい──そう思ったのは6歳のときだが、じきにかなわぬ夢だと気付いた。

私は小人症だ。米プロレス団体「WWE(ワールド・レスリング・エンターテインメント)」が採用するのは通常、身長180センチ、体重90キロの体格の人。そう知っても夢は諦められなかった。

2006年、WWEが私サイズのレスラーを募集していると聞き、応募すると何と採用された。まさに奇跡だ。夢がかなってWWEデビュー。世界中で放映されるプロレス番組に出演するようになった。

レスラー時代には小人症の人たちが勇気づけられたと感想を寄せてくれた。プロレス好きのちびっ子たちも小さな体で闘う私を応援してくれ、自分がロールモデルになったことに驚きもし誇りも感じた。

プロレスで注目されたおかげで、14年の映画『ザ・マペッツ2/ワールド・ツアー』と『レプリコーン・オリジンズ』に出演できた。どちらも撮影はワクワクするほど楽しく、以後俳優業に転じた。

子供の頃は映画やテレビで小人症の人を見ることはまずなかった。その後次第に見かけるようにはなったが、ホームコメディーにチョイ役で出る程度で、小人症俳優の活躍の場は極端に限られていた。

最近、製作中のディズニーの実写版映画『白雪姫』の7人の小人たちの写真がリークされたのを見て、心底ガッカリした。小人症の人だけでなくノーマルな体格の役者も小人役に抜擢されていたからだ。

ガッカリどころではない。情けなさや当惑などさまざまな感情が入り乱れ、怒りが爆発した。なんでこんなキャスティングにしたんだ!

7つの主要な役柄は小人症の俳優に当てられるべきだった。体が小さくても主要な役を演じられる希少なチャンスを、彼らから奪うなんて......。

くじけずに前進あるのみ

小人症の俳優、ピーター・ディンクラージがこの実写版を批判したことでさらに怒りが募った。

展覧会
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

スイス・アーミー・ナイフのビクトリノックス、米への

ビジネス

中国EVの小鵬、第3四半期売上高は倍増へ 旺盛な需

ワールド

マスク氏、第3政党始動計画にブレーキ=WSJ

ワールド

米大豆農家、中国との購入契約要請 トランプ氏に書簡
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 4
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 5
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 6
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 7
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 8
    【クイズ】沖縄にも生息、人を襲うことも...「最恐の…
  • 9
    時速600キロ、中国の超高速リニアが直面する課題「ト…
  • 10
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 4
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 5
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 6
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 7
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 8
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 10
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中