最新記事

日本経済

セブン&アイ、そごう・西武を9月1日に売却へ 労組は反発し31日に西武池袋本店でスト決行

2023年8月30日(水)13時11分
西武百貨店池袋本店

そごう・西武の労働組合は西武池袋本店での31日のストライキ実施を決めた。写真は今年2月の西武池袋本店。yoshi0511 - shutterstock

セブン&アイ・ホールディングスは百貨店のそごう・西武を米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに9月1日付で売却する方針を固めた。関係筋が明らかにした。31日に臨時取締役会を開く。売却金額は2200億円程度になる見通し。

7&iHDは昨年11月にそごう・西武をフォートレスへ売却する契約を締結した。その後、当初2月1日としていた売却予定日を3月中に延期したが調整は難航、無期限で延期していた。

昨年11月の契約では、企業価値2500億円に純有利子負債などを調整して譲渡価格を決めるとしていた。

セブン&アイの広報担当者は、会社が発表したものではなく、決まったことはないとコメントした。フォートレスのコメントは得られていない。

百貨店として61年ぶりのストライキへ

そごう・西武の労働組合は事業継続や雇用維持に関する説明が十分になされていないとして反発。西武池袋本店での31日のストライキ実施を決めた。西武池袋本店では約900人の組合員が働いており、31日は勤務を取りやめる。

UAゼンセンによると、百貨店のストは1962年の阪神百貨店以来61年ぶり。

労組の決定を受けて、そごう・西武は、西武池袋本店を終日臨時休業することを決めた。

労組によると、9月1日の譲渡を取り止めるよう経営側に求めており、29日が回答期限だった。しかし、経営側から確認が取れなかったため、終日のスト実施を決めたという。

労組は、事業継続と雇用維持で納得のいく説明がなされていないとしている一方、セブン&アイHDでは、譲渡の1日も早い実現が雇用維持、事業継続に最も資するとしている。そごう・西武は、譲渡後も労組と団体交渉や協議を継続するとしている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 4

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、…

  • 5

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 9

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 10

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中