最新記事

キャリア

失敗しても動揺しない「鋼のメンタル」を身につけよ 人生は「偶然のゲーム」、論理的に考えれば想定内

2021年10月17日(日)11時12分
小林 剛(プロ雀士) *東洋経済オンラインからの転載

野球にたとえてみましょう。キャッチャーがピッチャーに対し、次に内角高めか、外角低めか、どちらのコースに投げさせるか迷ったとします。内角高めなら、長打のリスクを承知で三振を取りにいくのでしょう。外角低めなら、長打のリスクを避けつつも、ゴロでランナーが進むことは許容する、といった考え方になります。三振狙いで内角高めに投げさせて、長打を打たれたのなら、それは想定の範囲内です。

『なぜロジカルな人はメンタルが強いのか? 現代最強雀士が教える確率思考』メリットとデメリットを把握したうえで選択した配球で打たれたら、それはもう仕方ありません。嘆く必要は、まったくないのです(私は麻雀以外に詳しいものが少ないので、野球の例が多くなることをお許しください)。

渋川難波や勝又健志など、理論的な解説で人気のプロ雀士がいます。彼らは「こういうふうに考えて、こう打ったんですね」という説明の仕方をつねにしています。なぜこうした解説ができるかというと、彼らが常日頃から、打牌の選択肢すべてについてのメリット・デメリットを広く考えているからだと思います。

このように、考えうる選択肢すべてのメリット、デメリットを事前にいくつも考えておく作業は、ピンチにも動じない思考訓練になります。選択肢と根拠をたくさん持っていればいるほど、あなたは強くなれるでしょう。

小林 剛(こばやし ごう)

プロ雀士
日本を代表する麻雀プロの一人。ニックネームは「麻雀サイボーグ」。麻雀界の非科学的なオカルトをすべて否定し、確率やロジックに基づいた戦法で勝ちを重ねている。1976年生まれ、東京都八王子市出身。
麻雀界最高峰の「Mリーグ」2019シーズンにおいて所属するU-NEXT Piratesを優勝に導き、2020シーズンでは個人賞の4着回避率で首位に。個人では、所属する麻将連合の最高タイトル「将王」を3度にわたり獲得。ほかにも、トッププロが集う「RTDリーグ2018」優勝、オンライン麻雀の最高位「天鳳名人位」を2度獲得するなど、麻雀界屈指の実力をもつ。
Twitter:@supatechi


※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。元記事はこちら
toyokeizai_logo200.jpg




今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

中国、サービス消費拡大へ新経済対策 文化・医療の促

ワールド

習氏のAPEC出席を協議へ、訪中する韓国外相が明か

ビジネス

中国・奇瑞汽車、 香港IPOで最大12億ドル調達へ

ワールド

米国との貿易協議は「前向き」で「建設的」=インド商
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    「なにこれ...」数カ月ぶりに帰宅した女性、本棚に出…
  • 9
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中