最新記事

雇用

トランプ政権、専門職など一部就労ビザ発給停止へ 米国民の雇用確保狙い

2020年6月23日(火)12時55分

トランプ米政権は、一部就労ビザの発給を停止する方針を固めた。政府高官が22日明らかにした。オクラホマ州タルサで20日撮影(2019年 ロイター/LEAH MILLIS)

トランプ米政権は、一部の就労ビザの発給を停止する方針を固めた。政府高官が22日明らかにした。米経済を支援する措置というが、業界団体は強く反対している。

同高官によると、特殊技能職ビザ(H1B)や企業内転勤者ビザ(L1)の発給が年内停止される。非農業季節労働者ビザ(H2B)も食品サービス業を除いて発給を停止する。

IT(情報技術)大手などの企業や米商工会議所は、新型コロナウイルスの感染拡大ですでに打撃を受ける経済をさらに圧迫するとしてビザ発給の停止に反対する姿勢を示している。

ただ、現在は新型コロナの影響で米国の領事館は世界的に、通常のビザ業務の大半を停止しており、今回の措置が直ちに及ぼす影響は限定的とみられる。すでに米国内にいて有効なビザを保有する人は影響を受けないという。

高官は、ビザの発給停止に伴い国内で52万5000人分相当の雇用に空きが出るとし、「米国民の迅速な雇用確保が狙いだ」と強調した。どのようにして算出した数字なのかは説明しなかった。

一時的な発給停止の対象には、就労が可能な交流訪問者向けのJビザや、H1Bビザ保有者の配偶者向けビザも含まれる。

マイクロソフトやスラックが加盟する米ソフトウエア業界団体のBSA/ザ・ソフトウェア・アライアンスは、米政権に対し「高度な技術を有する外国人の雇用を制限するのをやめるよう」強く求め、「そうした制限措置は米経済に悪影響を及ぼす」ほか、米国民の雇用機会を減少させると指摘した。

移民支援団体バウンドレスの共同創業者ダグ・ランド氏は、発給停止の対象に季節農業労働者ビザ(H2A)が含まれていないことから「トランプ政権の移民政策において農業利権が大きな影響力を握っていることがうかがえる」と述べた。

高官によると、トランプ大統領は、4月に打ち出した一部の外国人の米国移住を停止する措置も延長する方針。この措置により米国民約5万人の雇用機会が生まれるという。

4月にこの措置の例外としていた医療従事者は新型コロナ関連の研究や治療に当たる人に限定される。

また、H1Bビザプログラムも現在の抽選制度ではなく、給与の高い順に割り当てる制度へと見直す計画という。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・なぜ黒人の犠牲者が多いのか 米警察のスタンガン使用に疑問符
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・木に吊るされた黒人男性の遺体、4件目──苦しい自殺説
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...


20200630issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月30日号(6月23日発売)は「中国マスク外交」特集。アメリカの隙を突いて世界で影響力を拡大。コロナ危機で焼け太りする中国の勝算と誤算は? 世界秩序の転換点になるのか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

経産省、ラピダスへの6315億円の追加支援決定 総

ワールド

宇宙船オリオン、4人乗せ地球に無事帰還 月の裏側を

ワールド

アングル:イラン戦争でインフレ再燃、トランプ政権に

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、中東停戦維持期待で安全資産
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 5
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 6
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 7
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 10
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 10
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中