最新記事

株価

米国株式市場ダウ急反発1167ドル高 景気対策期待で安値拾い買い

2020年3月11日(水)08時16分

米国株式市場は急反発し、前日に2000ドルを超える下げを記録したダウ平均株価はこの日1167ドル高で取引を終えた。ニューヨーク証券取引所で撮影(2020年 ロイター/ANDREW KELLY)

米国株式市場は急反発し、前日に2000ドルを超える下げを記録したダウ平均株価はこの日1167ドル高で取引を終えた。政府による景気刺激策への期待から安値拾いの買いが入った。

前日に2008年の金融危機以来となる大幅な下げを記録した主要3株価指数は、いずれも約5%上昇。

ただ、S&P総合500種とナスダック総合は2月19日に付けた終値ベースの過去最高値をなお約15%下回っている。高値からの下落率が20%を超えると弱気相場入りが確認される。

トランプ米大統領は9日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ホワイトハウスが景気を下支えするため、給与税の引き下げなどの措置を議会共和党と10日に協議すると明らかにした。

ホライゾン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は「前日の急落を受け、短期的な押し目買いが入ったほか、財政刺激策への期待がある」と指摘。「最大の恩恵は実際に何が行われるかではなく、計画があるように見えることだ。何かを行うという意欲が見られ、これがおそらく市場の支援材料になった」と述べた。

前日に1991年の湾岸戦争以来となる大幅な下落率を記録した原油価格が反発したことを受け、エネルギー株も前日の記録的な下げから回復し、5.0%上昇。

S&P主要11セクター全てが上昇。情報技術が上げを主導した。

米債利回りが過去最低水準から切り返したことで、前日に10年超ぶりの下げとなっていた金融株も6.0%上昇した。

米宅配便大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は6.5%高。スタイフェルが投資判断を「バイ」に引き上げた。アマゾンもコーウェンの目標株価引き上げを受け5.1%上昇した。

シェブロンとマラソン・オイルはそれぞれ5.3%、21.2%上昇。原油価格の急落を受け、大手米石油会社の間で設備投資を削減する動きが相次いだ。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.61対1の比率で上回った。ナスダックでは2.06対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は158億1000万株と、直近20営業日の平均115億2000万株を上回った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ南部、医療機関向け燃料あと3日で枯渇 WHOが

ワールド

米、対イスラエル弾薬供給一時停止 ラファ侵攻計画踏

ビジネス

米経済の減速必要、インフレ率2%回帰に向け=ボスト

ワールド

中国国家主席、セルビアと「共通の未来」 東欧と関係
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    習近平が5年ぶり欧州訪問も「地政学的な緊張」は増すばかり

  • 4

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 5

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 6

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 7

    迫り来る「巨大竜巻」から逃げる家族が奇跡的に救出…

  • 8

    イギリスの不法入国者「ルワンダ強制移送計画」に非…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中