新型ウイルス感染拡大余波に「大揺れ」のクルーズ船業界
「ダイヤモンド・プリンセス」を運航するカーニバルは、中国をアジアで最も重要で長期的な成長が見込める市場と位置付けている。
カーニバルは、別のクルーズ船「ウエステルダム」でも新型コロナウイルスの感染者が見つかった。同船はアジアの複数の国で寄港を拒否されて2週間にわたり港に接岸できない状態が続き、最終的にカンボジアに入港した。
カーニバルは、すでに中国の港でのクルーズ船運航を停止。新型ウイルス感染拡大により、他のアジア地域での運航の停止を迫られた場合、通期利益が1株当り0.55─0.65ドル押し下げられるとの見通しを示した。
新型ウイルスの感染拡大を巡る懸念からこの数カ月、クルーズ船運航会社の株価は、ことごとく売られている。
クルーズ船は大勢の人が一緒に乗り込み、半分閉鎖されたような環境にあるため、ノロウイルスなど胃腸系の感染性疾患が、急速にまん延することがある。
CLIAによると、クルーズ船は昨年の乗客の平均年齢が46.7歳。医学雑誌ランセットによると、1月1日から20日にかけて中国・武漢のある病院では、新型ウイルスに感染した患者99人の平均年齢が55.5歳だった。
(Saqib Iqbal Ahmed記者、Uday Sampath Kumar記者)


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