中国の春節を直撃した新型肺炎、航空業界への打撃は?
最も影響が見込まれる航空会社
大韓航空、シンガポール航空傘下の格安航空会社スクート、台湾の中華航空、ANAなど多くの航空会社は、武漢市当局が武漢を出発する航空便や列車の停止を宣言した後、同市離陸便だけでなく、到着便の運航停止も発表した。また韓国の格安航空会社ティーウェイ航空は、武漢市への新路線就航予定を延期した。
航空便の動きを追跡しているサイト「フライトレーダー24」を23日0600GMT現在確認すると、武漢から同日離陸予定だった便の60%に当たる184便が欠航した。
中国の民間航空路線のうち武漢天河空港に離発着するのは約2%で、国内便が主体。ジェフリーズは、同空港は全体の88.8%が国内便とみている。中国南方航空のシェアが30%と最大だ。
中国旅行のキャンセル状況
韓国旅行代理店最大手ハナツアーは、今週に入って中国旅行のキャンセルが前年同期比でおよそ20%増えたと明らかにした。この数字には延期や目的地変更も含まれるという。
トーマス・クックのインド法人幹部のラジーブ・ケール氏は、一部の顧客が中国旅行について懸念を高めていると明かし、「大半の顧客は今後の推移を静観する態勢を取っている」と述べた。
フィリピン航空、ガルーダ航空、JALは、まだ中国発と中国着の便の予約は鈍っていないと述べた。フィリピンの格安航空会社セブパシフィック航空は、一部の搭乗客が中国に向かうのは安全かどうか不安を示したとしながらも、予約はキャンセルされていないとしている。


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