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ゴーンだけではない 身柄引き渡しに抗う世界の経営者

2020年1月1日(水)19時28分

日産自動車のカルロス・ゴーン元会長は、「不正に操作された」日本の司法制度から逃れるとして、国籍を持つレバノンに渡った。写真は東京都内の弁護士事務所を後にするゴーン氏。2019年3月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

日産自動車のカルロス・ゴーン元会長は、「不正に操作された」日本の司法制度から逃れるとして、国籍を持つレバノンに渡った。

会社法違反(特別背任)などで起訴され、保釈中だったゴーン氏は不正を否定していた。

日本からの衝撃的な出国劇により、ゴーン氏は外国から身柄引き渡しを求められている世界的企業の経営者や実業家の仲間に加わることとなる。

VWの排ガス不正

フォルクスワーゲン(VW)の最高経営責任者だったマルティン・ヴィンターコーン氏は2018年3月、ディーゼル車の排ガス不正問題に関連した4つの罪で起訴された。同年5月に米デトロイトの検察当局が逮捕状を請求したが、ドイツ政府は自国民を米国に引き渡さない。

72歳のヴィンターコーン氏は権威主義的な経営手法で知られ、07年から会社を追われる15年まで、VWに君臨した。

VWは15年9月、少なくとも6年間にわたって秘密のソフトウエアを使い、排ガステストで不正をしていたと公表した。VWのブランドは世界的に傷つき、米国で250億ドル以上の和解金を支払った。

米中対立の狭間で

中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の最高財務責任者(CFO)の孟晩舟副会長は18年12月1日、カナダのバンクーバー国際空港で逮捕された。銀行を欺き、イラン制裁に違反した罪に問われている孟氏は、バンクーバーの自宅で監視下に置かれている。

47歳の孟氏は無罪を主張しているが、米国は身柄の引き渡しを求めている。彼女の弁護士チームは、米国が身柄を求めているのは経済的、政治的な利益のためだと主張し、カナダの裁判所に異議を申し立てている。

政府系ファンドを流用か

マレーシアの実業家ジョー・ロー氏は、ナジブ前首相が設立した政府系ファンド「1MDB」から大量の資金を流用した中心人物として、同国と米国で罪に問われている。

ロー氏は不正を否定、行方も分かっていない。代理人によると、ロー氏は第三国から亡命を認められた。国名は明らかにしていない。

マレーシア当局者によると、潜伏先は中国とみられている。マレーシアの警察当局は11月、ロー氏が別の名前を使ってキプロスで土地を購入しようとしていたことを明らかにした。

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