最新記事

韓国経済

韓国・ヒュンダイ、自動運転車開発に350億ドル投資へ 政府も支援

2019年10月15日(火)20時15分

韓国の現代自動車グループは、自動運転車開発に取り組むために、2025年までにモビリティ技術や戦略的投資に41兆ウォン(346億5000万ドル)を投じる計画であることを明らかにした。写真は上海で4月撮影(2019年 ロイター/Aly Song)

韓国の現代自動車グループは15日、自動運転車分野の競争力強化に向け、2025年までにモビリティなどの技術に41兆ウォン(346億5000万ドル)を投じる計画であることを明らかにした。

現代自動車グループは9月、米自動車部品・自動運転技術大手アプティブと自動運転車を開発する合弁会社を設立すると発表。

今回発表した計画は、自動車各社がしのぎを削る「CASE(Connected=コネクテッド、Autonomous=自動運転、Shared=シェアリング、Electric=電動化)」への対応をにらんだものだ。

現代自グループの取り組みを韓国政府も後押しする。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、現代自動車の研究開発センターでのイベントで、2030年までに国内を走る新車の半分が自動運転車になるとの見通しを示し「自動運転市場は韓国経済を再活性化し、新たな雇用を創出する有望な市場だ」と述べた。

産業通商資源省の当局者によると、韓国政府は15日、自動運転技術の開発支援へ2021─27年に1兆7000億ウォンを投じる計画で、現代自が2027年までに国内の一般向けに完全自動運転車サービスを開始すると見込んでいる。

政府は、自動車部品やシステム、インフラなどを対象とする資金支援のための実現可能性調査を実施するほか、自動運転車の安全性確保に向け、規制や法律の枠組みを2024年までに整備する方針だ。

成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源相は15日のメディア向けブリーフィングで「われわれは、燃料エンジン車から未来車への転換を積極的に進めていく」と述べた。

しかし、専門家のなかには、技術やコスト面の問題などを踏まえ、政府や現代自の目標は現実的ではないとみる向きもいる。

政府は、未来の自動車技術に関する45ページの報告書で、自動運転車でカギとなる人工知能(AI)、センサーなどの分野で韓国が出遅れていると認めた。

サムスン証券のアナリストは「現代自は、ソフトウエア技術が不足しており、他から技術を買わなくてはならない。豊富なキャッシュを持っていても、収益が悪化すれば財務的な負担となる」と述べた。

*内容を追加しました。

[ソウル 15日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます




20191022issue_cover200.jpg
※10月22日号(10月16日発売)は、「AI vs. 癌」特集。ゲノム解析+人工知能が「人類の天敵」である癌を克服する日は近い。プレシジョン・メディシン(精密医療)の導入は今、どこまで進んでいるか。



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米10月ISM非製造業指数、52.4と8カ月ぶり高

ビジネス

米BofA、利益率16─18%に 投資家に中期目標

ワールド

トランプ関税の合憲性、米最高裁が口頭弁論開始 結果

ビジネス

FRB現行政策「過度に引き締め的」、景気にリスク=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇の理由とは?
  • 4
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 7
    若いホホジロザメを捕食する「シャークハンター」シ…
  • 8
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 9
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中