最新記事

ビッグスリー

「キーレスエントリー車」の自動車メーカー10社を提訴、13人が死亡と米消費者

便利なキーレスエントリー車に潜む事故リスクをメーカーは隠していた?

2015年8月27日(木)14時37分

8月26日、「キーレスエントリー車」をめぐり、米国の消費者らが、世界の大手自動車メーカー10社を相手取り、損害賠償などを求め米ロサンゼルスの連邦裁判所に提訴。コロラド州で昨年10月撮影(2015年 ロイター/Rick Wilking)

[26日 ロイター] - 鍵を差し込む代わりに、ボタン操作で車のエンジンを始動できる「キーレス始動車」をめぐり、米国の消費者らが26日、世界の大手自動車メーカー10社を相手取り、損害賠償などを求め米ロサンゼルスの連邦裁判所に提訴した。

キーレス機能を搭載した500万台以上の車の一酸化炭素中毒のリスクを隠し、13件の死亡事故が起きたとしている。

訴状によると、エンジンが停止するとの誤った認識を持つ運転手が、小型リモコン装置を車外に持ち出した後、エンジンがかかった状態の車が一酸化炭素を排出。家に接続して設置されている車庫などで車が放置された場合、一酸化炭素を吸い込み、負傷や死亡事故が起きる可能性があると主張している。

訴えられたのは、ドイツのBMW、ダイムラー、フォルクスワーゲン(VW)、欧米自動車連合フィアット・クライスラー・オートモービルズ、米国のフォード・モーター、ゼネラル・モーターズ(GM)、ホンダ<7267.T>、日産自動車<7201.T>、トヨタ自動車<7203.T>、韓国の現代自動車<005380.KS>。

原告側は、これら10社が少なくとも2003年以降米国で活用されているキーレス始動車のリスクを把握していたが、安全だとして販売してきたと説明。運転手がいない状態のエンジンに関する自動停止機能があれば、13人の死亡や負傷事故を防げた可能性があるとしている。

BMW、フィアット・クライスラー・オートモービルズ、トヨタはコメントを控えている。他の被告企業のコメントは得られていない。

120x28 Reuters.gif

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ヨルダン川西岸のガザ避難民に450万ドル支援、カタ

ワールド

米共和ブッシュ元大統領、11月選挙で支持候補表明せ

ワールド

イタリア首相、ゼレンスキー氏と会談 ウクライナ支援

ビジネス

米ボーイング、25%賃上げで暫定合意 スト回避へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本政治が変わる日
特集:日本政治が変わる日
2024年9月10日号(9/ 3発売)

派閥が「溶解」し、候補者乱立の自民党総裁選。日本政治は大きな転換点を迎えている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 2
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元で7ゴール見られてお得」日本に大敗した中国ファンの本音は...
  • 3
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が増加する」農水省とJAの利益優先で国民は置き去りに
  • 4
    メーガン妃が自身の国際的影響力について語る...「単…
  • 5
    ロシア国内の「黒海艦隊」基地を、ウクライナ「水上…
  • 6
    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…
  • 7
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 8
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...…
  • 9
    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…
  • 10
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 1
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 2
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つ…
  • 5
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 6
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 7
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 8
    エルサレムで発見された2700年前の「守護精霊印章」.…
  • 9
    死亡リスクが低下する食事「ペスカタリアン」とは?.…
  • 10
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が…
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新研究】
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 10
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中