最新記事

デフォルト

ギリシャとの交渉決裂の詳細、欧州委が異例の公表

相手の不実を暴露しながら、再びテーブルに着かせようという思惑も

2015年6月29日(月)14時52分

6月28日、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、債権団との交渉決裂前にギリシャに提示していた内容を公表した。アテネで5月撮影(2015年 ロイター/Alkis Konstantinidis)

[ブリュッセル 28日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は28日、債権団との交渉決裂前にギリシャに提示していた内容を公表した。このような公表は異例で、欧州委側の苛立ちを示すものといえる。

ただEU当局者は、ギリシャとの交渉で「ドアは依然開かれている」とし、引き続き合意を目指す姿勢を示した。

欧州委は「透明性とギリシャ国民への情報の観点から、欧州委員会は最新の提案を公表する」とし、EUとともに債権団を構成する欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)とも合意の上での公表だとした。

26日遅くまでギリシャとの交渉は続いたとし、「ユーロ圏財務相会合ではギリシャとの包括的合意が必要と全ての関係者が理解しており、合意だけでなくギリシャの将来的な資金調達や債務の持続性にも対応が必要だと認識されていた」と指摘した。

しかし「ギリシャ当局によるこれを破棄する一方的な決定」により、財務相会合は合意の承認には至らなかったという。

声明とともに欧州委は、ギリシャが支援に向け合意すべき税制や歳出面での10ページにわたる「優先事項」を公表した。

26日GMT1800(日本時間27日午前3時)の提案では、年金に関する文言とギリシャのホテル業界付加価値税(VAT)に関する部分がロイターがその週に入手した文書とは異なっていた。提案では、国内ホテル業界のVATは23%ではなく13%に引き下げられている。

ユンケル欧州委員長は、29日昼食時に記者会見を開く意向。チプラス首相が態度を変えるかは不明だが、EU当局者は、引き続き合意を模索することが欧州委員会の役割と認識している。

トゥスクEU大統領は28日、ツイッターで、ギリシャはユーロ圏の一員であり続けなければならないとし、ギリシャの離脱回避に向け、域内各国首脳と連絡をとっていると述べた。

欧州委員会のモスコビシ委員(経済・財務担当)は、ツイッターで、まだ希望をすてていないとし、ギリシャはユーロ圏内に留まるべきで、欧州委員会の提案について交渉する人々にまだドアは開かれている、と指摘した。

IMFのラガルド専務理事は28日声明を発表し、問題に引き続き努力する用意があるとした。声明によると、欧州委員会とユーロ圏政府は、ギリシャ債務に対してさらに取り組む用意がある。


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2015トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン最高安保委事務局長ラリジャニ氏が死亡=イスラ

ワールド

EU、ロシアとのエネ取引意向ない=カラス外交安全保

ワールド

EU、米国の「予測不能性」織り込み=カラス上級代表

ビジネス

仏ソジェン、国内リテール顧客向け証券保管事業の売却
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 3
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 7
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 8
    「危険な距離まで...」豪ヘリに中国海軍ヘリが異常接…
  • 9
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中