最新記事

ネット規制

上海でフェイスブックとツイッター「解禁」の狙い

フェイスブックやツイッターを国内で使わせないという強硬姿勢に変化?

2013年9月25日(水)15時48分
ジェニファー・マトソン

限定的措置 上海でも一般市民はフェイスブックやツイッターは利用できないまま Aly Song-Reuters

 フェイスブックやツイッター、ニューヨーク・タイムズ紙電子版など、中国でアクセスが遮断されているSNSやニュースサイトがようやく一部解禁される――香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポストのそんな報道が注目を集めている。

 24日付の同紙の記事によれば、上海市に9月29日に開設される国内初の「自由貿易試験区」の中で、利用が可能になるという。この試験区では、人民元の取引や外国からの直接投資を始め、数多くの分野で特例的に規制が緩和される予定で、フェイスブックなどへのアクセス解禁もその一環とみられる。

 匿名でサウスチャイナ・モーニングポストの取材に応じた政府高官は、欧米の人々がより快適に中国でビジネスできる環境づくりが狙いだと語っている。


 外国企業の投資を積極的に呼び込み、外国人に自由貿易試験区での暮らしや仕事に満足してもらうには、どうしたら彼らに心地よく生活してもらえるか考える必要がある。


 もっとも、今回の措置はあくまで限定的で、他の地域での状況は変わらない。フェイスブックとツイッターは、09年から中国国内ではアクセスが禁じられている。同年に、中国西部の新疆ウイグル自治区で起きた大規模な暴動が、SNSによって煽られたものだと中国政府はみているからだ。

 一方、ニューヨークタイムズは12年に温家宝前首相一族の蓄財疑惑を報じた直後から、中国での英語版と中国語版のサイトへのアクセスを遮断されている。

From GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

GMメキシコ工場で生産を数週間停止、人気のピックア

ビジネス

米財政収支、6月は270億ドルの黒字 関税収入は過

ワールド

ロシア外相が北朝鮮訪問、13日に外相会談

ビジネス

アングル:スイスの高級腕時計店も苦境、トランプ関税
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「裏庭」で叶えた両親、「圧巻の出来栄え」にSNSでは称賛の声
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 5
    セーターから自動車まで「すべての業界」に影響? 日…
  • 6
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パ…
  • 7
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 8
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 9
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 10
    日本人は本当に「無宗教」なのか?...「灯台下暗し」…
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 3
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 6
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 7
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中