最新記事

ホテルビジネス

ルームサービスが過去の遺物に?

これで、ニューヨークを代表するホテルでの滞在も殺伐としたものになりそう

2013年6月5日(水)17時09分
サマンサ・スタインバーン

一時代の終わり ルームサービス廃止は他のホテルにも波及しそうだ Eduardo Munoz-Reuters

 マンハッタンの中心に建つニューヨークヒルトン・ミッドタウンは、客室数約2000を抱えるニューヨーク最大のホテルだ。そのヒルトンが、8月からルームサービスの提供を廃止すると発表した。

 1泊300ドル以上するホテルだが、今後はルームサービスに代わってセルフサービスのカフェテリアが新設するという。ホテルの広報によれば、近年ではルームサービスの注文が減少傾向にあったという。

 旅行産業の専門家たちによれば、多くのホテルでルームサービスは採算の取れないサービスになっている。つまりヒルトンの決定は、コスト削減のための判断だと見られている。

 ホテル産業のコンサルタントであるジョン・フォックスはニューヨーク・タイムズ紙に、あらゆるホテルは「ゲストが望むサービスを提供する一方で、自らの資産から最大限の利益を生み出すためにさまざまな努力を重ねている」と語った。

 今回のヒルトンの決定によって、真夜中に24ドル75セントのコブサラダを作るキッチンスタッフや、それを客室まで運ぶスタッフなど55人が職を失う。

「悲しいよ」と、ホテル産業の体験記『Heads in Beds』の著者ジェイコブ・トムスキーは言う。「最初に頭に浮かんだのは職を失う従業員たちのことだ。だが経営的なことを考えれば、確かにこうする以外にないのかもしれない」

 ホテル業界でルームサービスを初めて導入したのは、同じくマンハッタンのパークアベニューにある超高級ホテル、ウォルドーフ・アストリア・ホテル。1930年代のことだったが、このホテルも現在ではヒルトンホテル&リゾートグループの傘下にある。

 ヒルトンの広報によれば、ウォルドーフでルームサービスを廃止する予定はないという。だが傘下のほかのホテルについては、ルームサービスの廃止についてケースバイケースで判断していくようだ。

From GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国こそが「真の脅威」、台湾が中国外相のミュンヘン

ワールド

米中「デカップリング論」に警鐘、中国外相がミュンヘ

ビジネス

ウォルマート決算や経済指標に注目、「AIの負の影響

ワールド

ドバイ港湾DPワールドのトップ辞任、「エプスタイン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 2
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 3
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活動する動画に世界中のネット民から賞賛の声
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    それで街を歩いて大丈夫? 米モデル、「目のやり場に…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 9
    【インタビュー】「4回転の神」イリヤ・マリニンが語…
  • 10
    機内の通路を這い回る男性客...閉ざされた空間での「…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 10
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中