最新記事

ネット

フェイスブックは偽ユーザーが8.7%

「クリックの80%はボット」の暴露に続き、8300万件もの偽アカウントがあることが判明。広告戦略に大打撃。

2012年8月3日(金)15時56分
エイミー・シルバースタイン

不信の目 収益源のユーザー「品質」にケチがつき、対応を迫られるザッカーバーグCEO  Eduardo Munoz-Reuters

 フェイスブックのあなたの「友達」の中にもきっと、偽のアカウントユーザーはいやだとぼやいている人がいるだろう。だが彼らも含めて友達の8.7%が偽者で、調査が進めばもっと増える可能性もあることがわかった。

 フェイスブック社は7日31日、米証券取引委員会(SEC)に提出した四半期報告書で、6月末時点の月間アクティブユーザー9億5500万人のうち、8300万人分以上が偽アカウントである可能性があると明らかにした。

 同社はそれらを「重複アカウント」(1人のユーザーが追加作成したもの)、企業やペットなど「分類の誤ったアカウント」(個人アカウントではなく、ビジネス向けの「フェイスブックページ」に登録しなくてはならない)、スパム送付など不正行為を行う「望ましくないアカウント」の3種類に分類している。報告書によれば全ユーザーのうち重複アカウントは4.8%、分類を誤ったアカウントは2.4%、望ましくないアカウントも1.5%あるという。何ということだ!

 同社のジョー・サリバンCSO(最高セキュリティ責任者)はCNNに対し、「フェイスブックでは虚偽のアカウントを発見し、閉鎖するために多大の努力を行っている」と語った。「われわれのビジネスは、ユーザーが実名登録をするという前提の上に成り立っている」

 偽アカウントは主に途上国のものだという。「重複アカウントや虚偽アカウントの割合は、アメリカやオーストラリアなどの先進国市場ではかなり低く、インドネシア、トルコなどの途上国市場で比較的高いとわれわれは考えている」と、同社は報告書で述べている。

 このニュースが出てくる直前には、音楽関連企業「リミテッドラン」がフェイスブックの不正を訴えたばかり。同社がフェイスブックに載せている広告のクリック数のうち80%がプログラムによるものだ、と発表したのだ。

 同社はフェイスブックページでこう書いている。「ボット(自動操作プログラム)がクリック数を増やし、(クリック数に応じて決まる)広告費を跳ね上げていた。フェイスブックに問い合わせたが、残念ながら返答がない」。同社は結局、フェイスブックページの利用をやめた。

 フェイスブックは前回の四半期報告書で、3月時点の偽アカウントは5000万人分だとしていた。今回その数が大幅に増えたのは、偽アカウントが今になって大幅に増えたからではないだろう。「これまで偽アカウントの認定に消極的だったフェイスブックが、より正直になったということだ」と、ニュースサイトのCNETは指摘する。

From GlobalPost.com

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日産、追浜と湘南の2工場閉鎖で調整 海外はメキシコ

ワールド

トランプ減税法案、下院予算委で否決 共和党一部議員

ワールド

米国債、ムーディーズが最上位から格下げ ホワイトハ

ワールド

アングル:トランプ米大統領のAI推進、低所得者層へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 5
    MEGUMIが私財を投じて国際イベントを主催した訳...「…
  • 6
    配達先の玄関で排泄、女ドライバーがクビに...炎上・…
  • 7
    米フーターズ破綻の陰で──「見られること」を仕事に…
  • 8
    大手ブランドが私たちを「プラスチック中毒」にした…
  • 9
    メーガン妃とヘンリー王子の「自撮り写真」が話題に.…
  • 10
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 5
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 8
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 9
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 10
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中