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大手米銀「外国政府との取引お断り」の理由

JPモルガン・チェースやバンカメが、説明もなく外交筋の顧客を追い払い始めた

2011年1月14日(金)15時28分
コラム・リンチ

「拝啓 外交官殿 
 我ら米銀にとって、あなた方はもはや歓迎すべきお客様ではないかもしれません」

 米銀大手JPモルガン・チェースは3月31日をもって、ニューヨークとワシントンにある各国大使館や国連大使たちへの銀行サービス部門を閉鎖する計画だ。チェースはそのそっけない書簡のなかで、「口座移管による不便を最小限に留めるため、お客様には速やかに他の金融機関に口座を開設し、お取引を開始されることをお勧めいたします」と通告している。

 チェースからは何の説明もないが、最近アメリカの金融機関が外国政府との取引を停止する例が相次いでいる。11月には、バンク・オブ・アメリカがワシントンのアンゴラ大使館の5つの口座を返上した。他にも米銀数行が、外交筋への銀行サービスを止める意思を米政府に伝えている。

 銀行口座を失った外交官たちは、もはやアメリカでは最も基本的な職務さえ果たせなくなるのではないかと懸念している(ワシントン・ポスト紙記者の筆者が同紙に書いた記事より)。

<編集部追記>
 ポスト紙に掲載された記事では背景として、米政府当局の規制強化に伴い、資金洗浄に絡んだ取引を排除するための銀行の負担が増していること等を指摘している。 

Reprinted with permission from "Turtle Bay", 14/1/2011. © 2011 by The Washington Post Company.

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