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「投資が怖い」ビビる米30代

2010年11月30日(火)15時21分
アズリエル・ジェームズ・レルフ

 若い人ほど積極的に投資すべきだと、昔からよく言われる。短期の損失から立ち直る時間もあれば、長期の見返りを手にする時間もあるからだ。しかし景気後退のあおりで、アメリカの30代は投資に慎重になっている。

 米労働者福祉研究所によれば、年金額の削減が懸念されるにもかかわらず、35〜44歳の労働者で定年後に備えて貯蓄している人の割合は過去10年間で22%減少した。投資している人でも親の世代ほどリスクを負いたがらなくなっている。米投資信託協会の調査では、平均以上の投資リスクを負うことをいとわない人の割合は35〜49歳では40%だが、35歳未満では32%だ。

「私たちの世代は何度も痛い目に遭っている」と、フロリダ州の金融アドバイザー、キャシー・パルト(38)は言う。「20代の頃より知恵は付いたけれど、慎重になり過ぎるときもある」

 株価が回復してからも、若い世代は安全な低利回りの債券に投資している。しかし専門家によれば、30代はむしろ株式の比重の大きい資産運用法を活用すべきだ。慎重な道を選ぶと定年を迎えるのが10年遅くなりかねないという。

「親や祖父母の時代とは違う」とパルトは言う。「30年間働いても金時計一つもらえない」

[2010年12月 1日号掲載]

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