コラム

詐欺罪では足りない、「ニセ警官」への厳罰化が必要な理由

2026年04月08日(水)15時00分

別の言い方をすれば、本物だと確認が取れるまで、市民が警察官に対して100%の信頼をせず、半信半疑で行動するのが当たり前になってしまいます。一言で言えば、ニセ警官というのは、そうした行為自体が治安維持への妨害行為であり、法執行機関への悪質な挑戦だということです。

アメリカの場合は、多くの州で公職を騙ることを犯罪とする立法がされています。近年ニセ警官を名乗る事件が急増していることを受けて、私の住むニュージャージー州では、2025年に法改正があり、警察や保安官など法執行機関の職員を騙るケースは、別個の罪状として厳罰化がされています。


日本の場合、ニセ警官事件については詐欺罪に加えて、僭称(職権を偽る)罪などを適用する場合もありますが、警官ではないのに警官と名乗ったり、制服を着たりしても軽犯罪法違反にしかなりません。また警察手帳を偽造した場合は有印公文書偽造になりますが、その程度です。

犯罪の反社会性を考えると、罪状も量刑も全く軽く済んでいます。これでは、凶悪な犯罪集団に社会全体がナメられているとしか言いようがありません。刑法を改正して、法執行機関の職員を詐称することを、特に別個の犯罪として厳罰化することは急務だと思います。

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プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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