Picture Power

【写真特集】気候変動がロシアにもたらす好機

RUSSIA WINS THE CLIMATE CHANGE

Photographs by SERGEY PONOMAREV

2021年05月20日(木)15時30分

ウラジオストク近郊にあるロシア最大の農業企業ロスアグロ社の畑でトウモロコシを収穫する(2017年)

<これまで気温が低過ぎて不毛だったロシアの土地が温暖化で農地に変わる>

気候変動が人類に与えている多大な影響の1つに、農業の変化がある。今後、その最大の恩恵を受けるとみられているのがロシアだ。

まず、これまで気温が低過ぎて不毛だった土地が温暖化で農地に変わる。「新気候時代」における最も重要な資源、食料の増産が可能になるのだ。実際、ロシアは食料輸出の能力を国家の影響力に転換させようと試みている。

さらに気候変動は、国境を越えた大規模な移住も引き起こす。ロシア東部の南側には、中国や中央アジア、さらには猛暑や干ばつ、洪水といった自然災害が厳しさを増す南アジアの国々が広がっている。

気温や海水面の上昇が進めば、アジア各地から農地を求めてロシアへの移住が増えるのは確実だ。既にシベリアや極東地域には、多くの移民が定住し始めている。

ウラジーミル・プーチン大統領は2013年、ロシア東部の再開発は「21世紀を通じての優先課題だ」と宣言。助成金などで自国民の東部地域への移住も促進している。いてつく大地を溶かす気候変動は、ロシアが国際秩序を自国に有利な形につくり替えるチャンスをもたらしそうだ。

pprus02.jpg

ウラジオストク近郊にある穀物倉庫に荷降ろしされるトウモロコシ(2020年)

pprus03.jpg

ロシアの極東地域を流れるアムール川の支流であるゼヤ川の冬の風景(2017年)

pprus04.jpg

ロスアグロ社が新設した豚舎(2020年)

pprus05.jpg

中国との国境を流れるアムール川の港にある灯台。川の向こうには中国の建物が見える(2020年)

pprus06.jpg

現在は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出制限で中国人労働者は姿を消したという

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

気象災害警報システム導入を再要請、国連事務総長が温

ワールド

トランプ氏、習氏との貿易合意に期待 ロシア産原油や

ビジネス

英中銀副総裁、銀行レバレッジ規制のさらなる緩和に否

ビジネス

日経平均は続落で寄り付く、米中摩擦懸念が再燃 一時
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺している動物は?
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 6
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 7
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 6
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 9
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 10
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story