権力vs国民の知る権利、『ペンタゴン・ペーパーズ』でスピルバーグが問うたもの

ILLUSTRATION BY NATSUCO MOON FOR NEWSWEEK JAPAN
<1971年、アメリカ政府の不都合な真実を記した機密文書ペンタゴン・ペーパーズが報道された。同じ年、日本でも佐藤栄作首相とニクソン米大統領の「核密約」をつかんだ記者がいたが......>
1972年の沖縄返還に先立ち、アメリカが支払うべき巨額の軍用地復元補償費を日本が負担して、核兵器の再持ち込みを容認することなどを佐藤栄作政権は米政府と約束していた。ただし国民は知らない。密約だ。
71年、毎日新聞の西山太吉記者はこの情報を外務省の女性職員から入手するが、スクープとして大きく報じる前に女性職員との不倫関係を問題視されてスキャンダル報道がエスカレートし、国家公務員法違反(秘密漏洩そそのかし)の罪で西山は女性職員と共に逮捕される。
政府は密約(つまり秘密)の存在を認めないのに、秘密漏洩で2人は逮捕された。
小学生でも何か変だよと言うと思うのだが、密約の問題は曖昧なまま国民は興味を失い、任期を全うした佐藤栄作は非核三原則を提唱したことでノーベル平和賞を受賞した。西山記者と女性職員は組織から追われ裁判でも有罪判決を受け、表舞台から姿を消した。
同じ71年、ベトナム戦争に関わっていた歴代政権の不都合な真実を記した米国家機密文書ペンタゴン・ペーパーズが、ニューヨーク・タイムズ1面にいきなり掲載された。政府は報道差し止めを要求するが、同じ文書を入手したワシントン・ポストも掲載に踏み切った。
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