コラム

「Good Goodbye」の大ヒットで勢いづくファサ(HWASA) 多くの共感を呼ぶ「温かいまさざし」

2026年03月12日(木)11時00分

バラエティーでも人気沸騰

有名人の証しと言えそうなのが、音楽以外の話題もよくクローズアップされる点だ。彼女が好きなものを食べる動画がアップされると、取り上げた食べ物がネットのリアルタイム検索ワードで1位になり、完売になる場合もめずらしくないという。また見た目の変化も一般の関心を引き、最近ではすっきりとしたボディとショートヘアがファッション誌で大々的に紹介されている。

以上のようにずっとポップアイコン的な存在ではあったものの、大物感も漂わせるようになってきたと痛感したのが、昨年11月に行われた『第46回青龍映画賞』授賞式の舞台である。ファサは白いドレスに裸足で中央の椅子に座り、前月に発売した新曲「Good Goodbye」を披露。同曲のミュージックビデオで恋人役を演じたパク・ジョンミンを招き入れて、映画のワンシーンのようなパフォーマンスを繰り広げた。


 KBS Entertain / YouTube

この模様はYouTubeでも公開されて1,700万回近い再生を記録(2026年3月上旬現在)。おかげで「Good Goodbye」は韓国国内の6大音楽配信チャートでトップに輝き、2025年のソロ女性歌手として初の「パーフェクトオールキル(PAK)」という名誉も獲得。人気度を数値で表す「歌手ブランド評判」(韓国企業評判研究所が複数のデータを分析・集計したもの)の2026年2月ランキングでは、女性ソロで唯一ベスト10(5位)入りしており、現在の彼女は"K-POP女性シンガーの代表格"と言っても決して過言ではない。


 HWASA / YouTube

他者への温かいまなざし

エキゾチックな容姿、凛とした身のこなし、R&Bをベースにしたダイナミックな歌唱、親しみやすいお姉さん的なイメージと、彼女のセールスポイントは数多い。そしてここにきて鮮明になったもうひとつの魅力は、「Good Goodbye」をはじめとするいくつかのオリジナルソングで見せた"他者への温かいまなざし"ではないだろうか。

前述のソロシングル「バカ(twit)」における彼女は、相手をバカ呼ばわりして突き放すかと思いきや、〈私のためだけに息をしないで〉と、その心情をくみ取る。「Good Goodbye」では、〈これからはあなた自身を思いやって〉と恋人を見送り、自分も別れを経て強くなろうと決意する。どちらの曲も、互いが理解し尊重しあうことの大切さを伝えているように個人的には思う。

ひと昔前のガールクラッシュは「自分らしく生きる」、「私は私」といった主張がやや強かった印象があるが、ファサの場合は近いスタンスをキープしながらも、周囲の人たちへの優しさも忘れない。こうした姿勢を"他者への温かいまなざし"と表現したわけだが、それが無理なく歌に取り込めるのは、ひとえに人柄の良さからなのだろう。「Good Goodbye」の特大ヒットを追い風に、今後も迷わずにこの路線を突き進んでほしいと願っている。

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プロフィール

まつもとたくお

音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。2000年に執筆活動を始め、数々の専門誌・ウェブメディアに寄稿。2012年にはK-POP専門レーベル〈バンチョーレコード〉を立ち上げ、イ・ハンチョルやソヒといった実力派を紹介した。現在は『韓流ぴあ』『ジャズ批評』『ハングルッ! ナビ』などで連載。LOVE FMLuckyFM楽天ポッドキャストの番組に出演中。著書は『K-POPはいつも壁をのりこえてきたし、名曲がわたしたちに力をくれた』(イースト・プレス)ほか。

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