コラム

なぜこのタイミングで解散だった? 最大の理由は「予算」か...これで「消費減税」は実現するのか

2026年01月27日(火)17時45分

首相就任後は消費減税にも消極的な発言

ところが首相の座に就いてからの高市氏は、消費減税に対して消極的な発言を繰り返しただけでなく、日銀の利上げも容認するなど、少なくとも財政・金融面においては従来の主張を全て封印する形となっている。

高市氏は党内の財政健全派や財政当局の要求に屈したのではないかとの観測が広がるなか、昨年末に閣議決定された26年度予算はそうした状況を裏付ける結果となった。

前々回のコラムでも解説したが、今回の予算案は規模では前年を上回ったものの、新規国債の発行額は物価上昇率の範囲内に抑えられている。支出増の項目も、多くが義務的経費であり、積極財政で景気を拡大するものではなく、どちらかというと財政健全化に重きを置いた内容と考えていい。


このまま当該予算を通せば、市場から一定の評価は得られるものの、高市氏の支持者が強く求める大規模な財政出動の実施はできなくなる。高い支持率も時間が経過すると下がるケースが多く、このままでは政権として身動きが取れなくなる可能性が高い。

こうした事態を打開するため、イレギュラーな時期であるにもかかわらず解散に踏み切ったと考えられる。実際、高市氏は解散表明の会見において、「補正予算を前提とした予算編成手法と決別し、必要な予算は当初予算で措置する」と説明しており、大規模予算の編成をにおわせた。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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