コラム

露わになった「トランプ版モンロー主義」の衝撃...世界経済への影響はどこまで大きいのか?

2026年01月08日(木)17時53分
トランプのベネズエラ攻撃の経済への影響

CHRISTIAN DAVID COOKSEY/SHUTTERSTOCK

<年明けのベネズエラ攻撃は、昨年12月にトランプ政権が発表した国家安全保障戦略に盛り込まれた「新モンロー主義」的な姿勢に基づいたものだった>

トランプ政権が「新モンロー主義」ともいえる新しい安全保障戦略を発表した。その内容は日本や欧州にとって衝撃的なものであり、この基本戦略が定着した場合、国際社会における勢力図が激変する可能性がある。

当然のことながら地政学的変化は商業活動にも及ぶ可能性が高く、世界経済のブロック化と基軸通貨ドルが変容するシナリオがより現実味を帯びてきた。

アメリカという国は、建国以来続くモンロー主義的な価値観と1800年代後半から台頭した帝国主義的な価値観の2つの顔を持つ。モンロー主義は第5代のジェームズ・モンロー大統領が提唱した基本戦略で、欧州とアメリカの相互不干渉を基本としている。

当時は欧州が世界そのものという価値観であり、世界の中心地である欧州との相互不干渉は孤立主義とイコールであった。


アメリカは建国以来、世界から孤立し、引きこもる政策を続けてきたが、大きな転換点となったのがフランクリン・ルーズベルト大統領(32代)である。

ルーズベルト氏は、伝統的なモンロー主義を捨て、第2次大戦や太平洋戦争に積極的に関わることで、政治的にも経済的にも世界のリーダーになる道を選択した。戦後の国際秩序がアメリカの覇権主義的野心によって形成されてきたことは、紛れもない事実である。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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