コラム

「限度を超えた円安」はさらに進む可能性が高い...「片山シーリング」に効果はあるか?

2025年12月11日(木)18時44分
片山シーリングは限度を超えた円安を止められるか

KIYOSHI OTAーBLOOMBERG/GETTY IMAGES

<「限度を超えてきている」「これ以上の円安はまずい」の声が......。だが、高市首相が掲げている方針では円安が今後さらに進行する可能性が高い>

円安が厳しい局面を迎えつつある。為替変動についてはメリットとデメリットがあるというのがこれまでの常識だったが、ここまで通貨価値が下がると状況は変わってくる。

10月以降、為替市場では急ピッチで円安が進んでおり1ドル=160円台が視野に入り始めた。これまで為替について直接的に言及することを避けてきた経済界からも懸念する声が相次いでいる。


日本商工会議所の小林健会頭は円安について「限度を超えてきている」と発言。経団連の筒井義信会長は政府に対し、市場の信認を維持するよう強く求めたほか、新経連代表で楽天トップの三木谷浩史氏も「さすがにこれ以上の円安はまずいと思います」と危機感を募らせている。

一般的に円安が進めば輸出企業にとって収益拡大となるが、輸入企業にとってはコスト増となり業績の下押し要因となる。生活必需品の多くは輸入で賄われており、国民生活という観点では円安は明らかに逆風といえる。

1ドル=120~130円のレベルであれば、メリットとデメリットが拮抗していたかもしれないが、150円を超えてくると明らかにデメリットのほうが大きく、経済界もこうした事態を憂慮したものと思われる。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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