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「偽情報・誤情報」研究が直面する5つの課題
課題3 因果関係の立証は困難
偽・誤情報の問題は複雑であり、因果関係を証明することが難しい。その理由は大きく2つある。
1.多くの研究は行動にいたるまでを調査しておらず、態度や信念までに留まっている
しかし、信念から行動までは大きな隔たりがある。そのため反ワクチン陰謀論とワクチン摂取率の関係も立証は難しい。2021年の最初の3カ月の間、フェイスブック上でもっとも読まれたワクチン関係の投稿は、偽・誤情報ではなく、健康な医師がワクチン接種後に死亡した記事だった。もちろん、これは偽・誤情報ではない。
2.測定、評価方法の問題
ピザゲートでの事件では、数百万人が陰謀論に接触したが、レストランに銃を持って現れたのはひとりだけだった。統計的には数百万分の1ということになる。確率的には無視してよい数だが、社会問題としては無視できないだろう。
2つの論考では触れられていなかったが、そもそも因果関係は適当にデータを入れればわかるわけではなく、因果関係を仮定しなければならない。適切な仮定を作ることができていない可能性は高く、さらに悪いことで不適切な仮定であっても因果関係の検証はできるため、一見妥当なものに見えてしまう。
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