スペイン外相がトランプ氏とネタニヤフ氏を強く非難 「文明への攻撃」
写真はスペインのアルバレス外相。ベルギーのブリュッセルで2月撮影。REUTERS/Yves Herman
David Latona Emma Pinedo
[マドリード 9日 ロイター] - スペインのアルバレス外相は9日の演説で、トランプ米大統領(共和党)とイスラエルのネタニヤフ首相によるイラン攻撃に端を発した中東での戦闘と、イスラエルのレバノンへの空爆を「文明への攻撃だ」と強く非難した。
イラン攻撃が無謀かつ違法だと批判しているスペインのサンチェス首相に同調した格好だ。これに対し、トランプ氏を支える共和党の「MAGA(アメリカを再び偉大に)」陣営はスペインへの制裁を促している。
アルバレス氏は「私たちは理性と平和、理解、普遍的な法という人道主義的な理想に築かれた文明に対する史上最大の攻撃に直面している」と問題視。レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラに対してイスラエルが大規模な攻撃を仕掛け、250人を超える死者が出たことは、米国とイランが7日に合意した2週間の停戦に違反していると反発した。
サンチェス氏は8日夜の短文投稿サイト「X」への投稿でネタニヤフ氏の「生命と国際法を侮蔑する姿勢は許しがたい」と指弾し、欧州連合(EU)に対してイスラエルとの連携協定を破棄するように改めて要求。パキスタンが仲介した停戦を歓迎した一方で、米国について「バケツを持って現れたからといって、世界を火の海にした連中を称賛しない」と言い切った。
トランプ氏は昨年、北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対して国防費を国内総生産(GDP)の5%に引き上げるように要求。拒否したスペインに対してトランプ氏は貿易を断絶すると脅し、共和党のグラハム上院議員は3月にスペイン南部に2カ所ある空軍の共同使用基地から撤退して「基地の使用を許可してくれる国」へ移転すべきだと訴えた。
スペイン外務省は「スペインは責任ある同盟国であり、NATOおよび欧州、環大西洋の安全保障に取り組んでいる」との声明を出した。
スペインの世論調査では大多数が中東での戦闘に反対しており、サンチェス氏が率いる社会労働党の支持率が上昇している。
一方、イタリアの極右政党「同盟」を率いるサルビーニ副首相は8日の記者会見で「私はサンチェス氏には決して同意しない。なぜならば彼の世界観は私とは正反対だからだ。彼は言行が一致していない」と批判。ドイツの当局者はロイターに対し、サンチェス氏の対立的な姿勢は国内向けのメッセージであり、NATOの結束維持には建設的でないとの見解を示した。
ただ、ドイツのメルツ政権に加わっている社会民主党(SPD)の議員は「サンチェス氏は、われわれも言いたいと思っている米国の政策に対する意見を表明している」と理解を示す。
リスクコンサルティング会社ベリスク・メイプルクロフトのチーフアナリスト、ヒメナ・ブランコ氏は、サンチェス氏は西側諸国で減少傾向にある左派指導者たちの旗手としての自覚を持っているとして「欧州のNATO加盟国が振り回されたり、NATOの利益にならない紛争に巻き込まれたりすることを許さないことで結束を図ろうとしている」との見解を示した。





