中国の新規石炭火力許可、25年は4年ぶり低水準に 再エネ拡大で

写真は２０２１年１０月、上海の石炭火力発電所の前で撮影。 REUTERS/Aly Song

Colleen Howe

[北京 ２５日 ロイター] - 環境保護団体グリーンピースは、中国の２０２５年における新規石炭火力発電所の許可容量が４年ぶりの低水準になる見通しだと明らかにした。再生可能エネルギーの利用拡大が新たな石炭火力発電所の需要を押し下げていることを示している。

グリーンピースによると、中国当局は２５年第１─第３・四半期に合計４１．８ギガワット（ＧＷ）の新規石炭火力発電所の建設を許可した。このペースが続けば、通年の許可容量は２１年以降で最も低い水準となる。

年初以降に承認された新規石炭火力発電への投資額は１７１５億─１８１５億元（２４２億─２５６億ドル）で、そのうち８５％は国有企業によるものだという。

グリーンピース東アジアの気候・エネルギー・プロジェクト・マネジャー、Gao Yuhe氏は、「再生可能エネルギーによる発電の割合が高まるにつれ、中国の追加的な電力需要は風力発電と太陽光発電だけで十分に賄えるようになってきた」と指摘した。

「石炭火力発電への期待や収益性も低下しており、それが承認件数の減少につながっている」と分析した。

中国が再生可能エネルギーを中心としつつ石炭火力発電を補完的な役割にとどめる「新たな電力システム」づくりを今後も進めていけば、次の５年間に新規発電所の許可ペースが２５年と比べてさらに低下する可能性があるとの見方を示した。