原油先物は反発、米中が貿易協定の枠組み合意を発表

１０月２７日アジア時間序盤の原油先物価格は、前週末から反発している。写真はタタルスタン共和国アルメチエフスク郊外の石油ポンプジャックの様子。７月１４日撮影（２０２５年　ロイター）

Sam Li　Lewis Jackson

[２７日 ロイター] - ２７日アジア時間序盤の原油先物価格は、前週末から反発している。米中が貿易に関する枠組みについて実質的に合意したと発表し、世界経済の成長阻害に対する懸念が和らいだ。

００２７ＧＭＴ（日本時間午前９時２７分）時点で、北海ブレント先物は０．４６ドル（０．７％）高の１バレル＝６６．４０ドル。米ＷＴＩ先物は、０．４６ドル（０．７５％）高の６１．９６ドルだった。前週は米国と欧州連合（ＥＵ）による対ロシア制裁を受け、それぞれ８．９％と７．７％上昇した。

海通証券は顧客向けノートで、ロシアに対する新たな制裁措置と米中関係の緊張緩和を受けて市場期待が改善し、１０月初めに価格を押し下げた供給過剰に対する懸念が打ち消されたと指摘した。

ベセント米財務長官は２６日、マレーシアの首都クアラルンプールで行っていた米中閣僚級協議で「非常に実質的な枠組み」に到達したと明らかにし、トランプ大統領が警告していた中国製品に対する１００％追加関税は回避され、中国のレアアース輸出規制が１年延期されることになると述べた。

また、トランプ米大統領は２６日、中国と合意に達することに楽観的だと述べた。

ＩＧの市場アナリスト、トニー・シカモア氏は、米中の貿易取引の枠組みは対ロ制裁を巡る懸念を打ち消すのに役立つと指摘。一方、海通証券のアナリスト、ヤン・アン氏は「対ロ制裁が予想より効果が薄ければ、供給過剰圧力が市場に戻る可能性がある」と述べた。