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中国裁判所、新型コロナ報道のジャーナリストに懲役4年

2025年09月22日(月)10時56分

新型コロナウイルスの発生初期段階に感染が広がった中国湖北省武漢で実態を取材して発信し、「公共秩序を乱した」として罪に問われた中国人ジャーナリストの張展氏(42)に対して上海の裁判所は19日、懲役4年の実刑判決を言い渡した。写真は2020年4月、湖北省武漢市で撮影(2025年 ロイター/Aly Song)

[21日 ロイター] - 新型コロナウイルスの発生初期段階に感染が広がった中国湖北省武漢で実態を取材して発信し、「公共秩序を乱した」として罪に問われた中国人ジャーナリストの張展氏(42)に対して上海の裁判所は19日、懲役4年の実刑判決を言い渡した。国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団」(RSF、本部パリ)が発表した。

張氏は2020年12月の発信後に「公共秩序を乱した罪」で懲役4年の実刑判決を受けて既に服役しており、再び同じ罪に問われた。RSFによると、中国は世界で最も多くのジャーナリストを投獄しており、少なくとも124人のメディア関係者が収監されている。RSFの25年の世界報道自由度ランキングで中国は180カ国・地域中で178位だった。

21日に中国外務省に対してコメントを求めたが、即座には連絡を取れなかった。ロイターは、張氏に法的代理人がいるかどうかを確認できなかった。

RSFのアジア太平洋地域広報責任者、アレクサンドラ・ビエラコフスカ氏は声明で「張氏は『情報の英雄』として世界的に称賛されるべきであり、残酷な刑務所に閉じ込められるべきではない」と非難。「国際外交社会が中国政府に対し、張氏の即時釈放を求めて圧力をかけることがこれまでよりも喫緊の課題となっている」と訴えた。

米ニューヨークに本部を置く非営利団体(NPO)「ジャーナリスト保護委員会」のアジア太平洋地域ディレクター、ベー・リー・イー氏は「張氏が根拠のない罪状で裁判にかけられるのは今回が2度目であり、これは露骨な迫害行為に他ならない」と批判。「中国当局は張氏の恣意的拘束を直ちに停止し、全ての罪状を取り下げ、即時釈放すべきだ」と訴えた。

ロイター
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