米、イラン産原油輸送で中国企業など20社以上に制裁
[ワシントン 13日 ロイター] - 米財務省は13日、イラン産原油の中国向け輸送に長年関わってきたとして、中国企業など20社以上に制裁を発動した。イランを巡っては米国高官との間で4回目の核開発問題協議が数日前に終わったばかりだ。
米財務省によると、それら企業は、イラン軍参謀本部とそのダミー企業セペール・エナジーに代わって中国にイラン産原油を輸送するのを手助けした。輸送規模は原油数十億ドル相当と認定した。同省は2023年にセペールを制裁対象に指定済みだ。
新たに制裁対象としたCCICシンガポールPTEは、イラン産原油と知りながら他国産と偽装し、中国への輸送前に出荷前検査を実施。セペール社を支援したとしている。
また、中国のHuangdao Inspection and Certificationは、既に制裁対象となっている複数船舶への原油貨物検査事業でセペールを支援した。Qingdao Linkrich International Shipping Agencyはセペールの指定港湾代理店として、青島港への入港や荷揚げを支援した。
米政府はここ数カ月の間に各種制裁を発動しイランと中国に圧力を加えてきた。しかし、アナリストらはイラン産原油の輸出を食い止めるには従来よりも大きな影響力が必要と指摘し、中国の銀行などを標的に加えた大規模な制裁が不可欠と提起した。
ヒューズ・ハバード・アンド・リード法律事務所のパートナーで、かつて米財務省で制裁担当の調査官を務めたジェレミー・パナー氏は「今回の措置は(単なる)制裁以上のもので、中国に圧力をかけることでイランに核開発協議での合意を受け入れさせる間接的な効果を狙ったものだと考えている」と述べた。
さらに「中国の銀行は、米国の制裁の仕組みについて比較的高度な理解力を持っており、テロ対策権限の下で制裁指定された企業と取引を続ければ、リスクが非常に高いことを認識している」と述べた。