米、メキシコからの生体牛輸入など一時停止 害虫巡り

5月11日、ロリンズ米農務長官は、家畜などに深刻な被害をもたらす害虫「新大陸スクリューワーム」(NWS、ラセンウジバエの幼虫)を巡り、メキシコからの牛、馬、バイソンの生体輸入を一時停止すると発表した。即日実施する。メキシコ・シウダーフアレス郊外で4月29日撮影(2025年 ロイター/Jose Luis Gonzalez)
[ワシントン 11日 ロイター] - ロリンズ米農務長官は11日、家畜などに深刻な被害をもたらす害虫「新大陸スクリューワーム」(NWS、ラセンウジバエの幼虫)を巡り、メキシコからの牛、馬、バイソンの生体輸入を一時停止すると発表した。即日実施する。
「この壊滅的な害虫が前回、米国に侵入した際、わが国の畜産業の回復に30年かかった。再発はあってはならない」と述べた。
メキシコのベルデゲ農業・農村開発相は「われわれはこの措置に同意しない」と直ちに反発しつつ、両国が早期に合意できることを望むと表明。輸入停止措置は15日間実施されるとした。
一方、米農務省は「月ベース」で同措置を実施するとしている。
両国は4月、NWSへの対応について合意していた。NWSは家畜や野生動物に寄生し、生きた動物の皮膚に潜り込むことで深刻な被害をもたらし、致命的となる場合もある。
米農務省はこれまでの取り組みが不十分だったと指摘。輸入停止による両国への「経済的影響」は承知しているとしながら、「NWSの容認できない北上が見られ、遅らせるために追加措置が必要だ」と説明した。
同省によると、米国境から1100キロ余り離れたオアハカとベラクルスでNWSが検出されたという。