英政府、移民規則を厳格化 右派政党台頭に対抗

5月11日、スターマー英労働党政権は、移民制度を厳格化する一連の規則変更を発表した。ノルウェー・オスロで9日、代表撮影(2025年 ロイター)
[ロンドン 11日 ロイター] - スターマー英労働党政権は11日、移民制度を厳格化する一連の規則変更を発表した。移民凍結を訴えるファラージ党首の右派ポピュリスト政党「リフォームUK」の人気が上昇していることから、対策を迫られた。
政府は12日に移民削減に向けた新たな法案を発表する予定だ。
クーパー内相は週末、(1)技能労働者ビザ(査証)の発給対象を大学院レベルの申請者に限定(2)介護セクター企業による海外での人材採用を阻止(3)企業に地元労働者への職能訓練拡大を義務付け――などの計画を発表した。
スターマー首相は声明で「就業から家族、学業に至るまで、移民制度の全ての分野を強化し、われわれの制御を強める」と説明した。
英国に移住した人々は現在、在留5年後に永住権と市民権の申請が可能になるが、この期間を10年間に延ばす。ただし看護師や医師、技師、人工知能(AI)専門家など高技能労働者にはファストトラック(迅速審査)が適用される。
英語の基礎的能力の義務付けに関しても、対象を成人扶養家族全員に広げる計画だ。