メキシコ、インフレが予想通り鈍化なら追加利下げ可能=中銀総裁

5月7日、メキシコ中央銀行(写真)のロドリゲス総裁はロイターに対して「インフレを巡る状況を踏まえると、基準金利の引き下げ局面の継続は可能だろう」と語り、インフレ率が予想通りに鈍化すれば追加利下げは可能だとの見通しを示した。2024年4月撮影(2025年 ロイター/Henry Romero)
[7日 ロイター] - メキシコ中央銀行のロドリゲス総裁はロイターに対して「インフレを巡る状況を踏まえると、基準金利の引き下げ局面の継続は可能だろう」と語り、インフレ率が予想通りに鈍化すれば追加利下げは可能だとの見通しを示した。
ロドリゲス氏によると、4月前半の総合インフレ率は3.96%となった。3月から若干拡大したものの、中銀の目標レンジ(3%の上下1%ポイント)内に収まっている。中銀は今月15日に次回の金融政策会合の決定内容を発表する。
メキシコ中銀は3月の前回会合で政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き下げ、2022年9月以来の低水準となる9.00%に設定することを決めた。50bpの利下げは2会合連続となった。
中南米2位の経済大国であるメキシコはこの数カ月、トランプ米大統領が二転三転させた輸入関税強化への脅威と、それに関連した投資家心理の低下による不確実性に悩まされてきた。
メキシコ国家統計地理情報局(INEGI)が4月30日に発表した2025年第1・四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.2%増。第1・四半期は0.6%減だったが、2四半期連続でマイナス成長になる「テクニカルリセッション」を回避していた。
ロドリゲス氏は、不透明な事業環境と米国の景気減速の可能性は、年内のメキシコ経済は低迷が続くかもしれないことを示唆していると警告。その上で「この期間にプラス成長が報告されたことはポジティブだった一方で、伸び率は低く、メキシコ経済の弱さは続いている」との見解を示した。