ニュース速報
ワールド

英、EUと関係再構築へ 価値観共有を強調=草案文書

2025年04月29日(火)01時09分

英国が欧州連合(EU)との関係再構築を目指し、広範な価値観の共有を表明する声明を用意していることが分かった。4月12日撮影(2025年 ロイター/Carlos Jasso)

[ブリュッセル 28日 ロイター] - 英国が欧州連合(EU)との関係再構築を目指し、広範な価値観の共有を表明する声明を用意していることが分かった。ロイターが入手した草案文書によると、英国はウクライナの領土保全のほか、気候変動対策の国際的な枠組み「パリ協定」や開かれた自由貿易への支持など、EUと共有する価値観を強調している。

英国のEU離脱(ブレグジット)から5年が経過。草案文書は新たな戦略的パートナーシップの「地政学的序文」として位置付けられるもので、英国とEUは5月19日にロンドンで開かれる首脳会議で合意を目指す。

草案文書はトランプ米政権を名指ししていないが、現在の米政権の政策と著しく異なる点が多い。

英国の草案文書は「ウクライナの独立と主権のほか、国際的に認証された国境内での領土保全に対する継続的な支援を再確認した」としているほか、「世界経済の安定を維持するという共通原則と、自由で開かれた貿易への相互のコミットメントを確認した」と明記。英国とEUが共にが多国間主義に取り組んでいることを改めて表明するものとなっている。

このほか「パリ協定が目標とする世界の気温上昇を1.5度以内に抑えることへの取り組みを継続する」としている。

トランプ米政権はパリ協定からの離脱を表明。また、ロシア・ウクライナ戦争の終結を巡る米国の提案には、ロシアによるクリミア支配の承認のほか、ロシアが実効支配するウクライナの4州の事実上の承認を求める内容が含まれており、欧州と見解の相違がある。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英シュローダー、第1四半期は98億ドル流出 中国合

ビジネス

見通し実現なら利上げ、米関税次第でシナリオは変化=

ビジネス

インタビュー:高付加価値なら米関税を克服可能、農水

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中