ニュース速報
ワールド

ロシア、5月8から3日間の停戦を宣言 ウクライナ懐疑的

2025年04月29日(火)05時19分

ロシアのプーチン大統領は28日、第二次世界大戦での対ドイツ戦勝80年の記念日に合わせて来月3日間の停戦を宣言した。ロシアのミサイル攻撃で破壊されたアパート、キーウで24日撮影(2025年 ロイター/Valentyn Ogirenko)

[モスクワ 28日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は28日、第二次世界大戦での対ドイツ戦勝80年の記念日に合わせ5月8ー10日に72時間の停戦を実施すると表明した。ウクライナにも停戦参加を求めたが、ウクライナのゼレンスキー大統領は懐疑感を示している。

前日には米国のルビオ国務長官とロシアのラブロフ外相が会談。米ホワイトハウスによると、トランプ米大統領はロシアとウクライナの間の恒久的な停戦を望んでいる。

ロシアは5月9日の対独戦勝記念日に首都モスクワで軍事パレードを実施。中国の習近平国家主席ら外国首脳が参加する。

ロシア大統領府は声明で「この期間、全ての軍事行動が停止される。ロシアはウクライナもこの例に従うべきだと考えている」とし、「ウクライナ側による違反があった場合、ロシア軍は適切かつ効果的に対応する」と警告。「ロシアは、ウクライナ危機の根本原因を排除することを目的とした、前提条件なしの和平交渉、および国際パートナーとの建設的な取り組みへの準備ができていると改めて表明する」とした。

これに対しウクライナのゼレンスキー大統領は恒例の夜の演説で、プーチン氏が対独戦勝記念の軍事パレードのために平穏を確保できるよう、停戦を5月8日まで待つことになっているとし、数日間だけ有効な停戦を5月8日まで待つことに懐疑感を表明。「われわれはパレードではなく、人命を大切にしている」とし、真の外交の基盤を確保するため、少なくとも30日間の完全かつ無条件の停戦の実現を改めて求めた。

これに先立ち、ウクライナのシビハ外相は「ロシアが本当に平和を望むなら、即時に停戦を実施すべきだ。なぜ5月8日まで待つ必要があるのか」とXに投稿。イェルマーク大統領府長官も、和平への道筋には「パレードのための」休戦ではなく、無条件の停戦が必要になると対話アプリ「テレグラム」に投稿した。

プーチン氏は今月19日、20日のイースター(復活祭)に合わせ、30時間の停戦を実施すると宣言。一方的な停戦を宣言するのは今回が2回目。

トランプ大統領は、ロシアとウクライナの和平に向けた実質的な進展がなければ和平実現に向けた取り組みを放棄すると繰り返し警告。26日には、プーチン氏に対し、ウクライナの民間地域を攻撃すべきではないと主張し、ロシアと取引する第三国を制裁対象にする2次制裁が必要かもしれないと述べていた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる

ワールド

ウクライナ南部オデーサに無人機攻撃、2人死亡・15

ビジネス

見通し実現なら利上げ、不確実性高く2%実現の確度で

ワールド

米下院、カリフォルニア州の環境規制承認取り消し法案
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中