ローマ教皇、最期まで公務継続 療養中も指導者として献身

4月21日、両肺炎の治療で5週間以上入院していたローマ教皇フランシスコは、医師から2カ月の休養が必要と告げられながらも、世界14億人のカトリック教徒の指導者として最期まで公務を続けた。写真は同日、バチカンで撮影(2025年 ロイター/Yara Nardi)
Joshua McElwee
[バチカン市 21日 ロイター] - 両肺炎の治療で5週間以上入院していたローマ教皇フランシスコは、医師から2カ月の休養が必要と告げられながらも、世界14億人のカトリック教徒の指導者として最期まで公務を続けた。
死去前日となった20日の復活祭には、2月以来初めて公の場に長時間姿を見せ、パパモービルと呼ばれる白い教皇専用車に乗ってサン・ピエトロ広場に詰めかけた群衆に手を振った。
またこの日の朝には、バンス米副大統領を居住区域に迎えたほか、クロアチアのプレンコビッチ首相一家とも短時間面会した。
側近でバチカン(ローマ教皇庁)高官のマイケル・チェルニー枢機卿は、教皇が無責任に無理をしていたとは考えていないと指摘。「完全な休息は癒やしではない。教皇は療養と指導者の責務を両立させていた」とし、世界のカトリック教徒を導く任務に献身したと述べた。
教皇の伝記作家オースティン・アイバリー氏は、教皇は「医師の助言に注意深く耳を傾けたが、最優先事項は教皇として存在を示すという使命だった」と説明。「われわれと共に復活祭を迎え、最後まで存在を示すという使命を全うした」と述べた。